ANAホールディングス(HD)<9202>が2018年3月22日、2年後の2020年3月末をめどに傘下の格安航空会社(LCC)国内2位のPeach・Aviation(ピーチ)と同3位のバニラ・エア(バニラ)を経営統合すると発表した。2018年秋ごろから1年半をかけて、上位のピーチにバニラの事業を移管する。

この経営統合には3つの狙いがある。第1にバニラの救済だ。バニラは成田国際空港(千葉県成田市)を拠点に、仏AirbusのA320-200型を14機運用している。17年3月期の売上高は240億円だが、営業赤字が6000万円、純損失は7億円に達している。

バニラの前身は2011年8月に全日本空輸(現・ANAホールディングス)と、マレーシアのエアアジアが共同出資したLCC。設立当初からLCCとはいえ日本的なきめ細かいサービスの提供を主張するANAと、徹底的にサービスを簡略化することでグローバルスタンダード型LCCを目指すエアアジアが経営方針で対立。2013年6月に提携を解消し、ANAが同社を100%子会社化している。

一方、ピーチは全日本空輸(同)と香港の投資会社ファーストイースタン・インベストメントグループ、産業革新機構などが出資して設立したLCC。2018年4月にはANA HDが出資比率を77%へ引き上げた。関西国際空港(大阪府泉佐野市)を拠点に、A320-200型20機を運用しており、17年3月期の売上高は517億円、営業利益は63億円、純利益は49億円と経営は順調だ。

 そこで「優等生」のピーチが、苦境に陥っているバニラを経営統合により吸収することで、ANAグループのLCC経営を安定させることにした。両社の売上高合計は757憶円と、2017年3月期に528億円で国内LCC首位だった日本航空<9201>・豪カンタス航空系のジェットスター・ジャパンを上回って首位に躍り出る。LCC最大手のポジションで競争を有利に運び、2020年度には売上高1500億円、営業利益150億円を目指す。

バニラ・エア機
経営統合で吸収されるバニラ・エア(Photo By 山の旅人2003)