ヤフー<4689>が仮想通貨交換業への参入を検討していることが分かった。仮想通貨交換業の登録業者であるビットアルゴ取引所東京(東京都渋谷区)の株式を取得することで新規参入を目指す計画だ。株式取得後、セキュリティ-システムの整備などを行ったあと、交換事業を始める見込み。

ヤフーに次ぐ大手企業の参入も

コインチェック(東京都渋谷区)による仮想通貨「NEM」の大量流出事件を機に仮想通貨交換業の規制が強化されており、大手企業の参入や大手企業による交換業者の買収が増加するものとみられていた。すでにLINE<3938>が参入を表明しており、今回のヤフーはもとよりヤフーに次ぐ大手企業の参入が注目される。

ヤフーは国内大手のポータルサイトで、検索、オークション、ニュース、天気、スポーツ、メール、ショッピングなど多数のサービスを展開している。すでに参入を表明しているLINEは新たな仮想通貨の発行を計画しており、ヤフーについても同様に新通貨の発行の可能性が高い。

新通貨はヤフーが運営しているオークションやショッピングなどで使われることが予想される。仮想通貨は法定通貨を用いた決済よりも手数料が安くて済むため、通販事業者にとってはメリットがある。

仮想通貨でコストダウンが実現すれば、例えばショッピングを利用した顧客に対し、これまで以上のポイントを還元するなどのサービス向上が可能になる。これによって通販事業の競争力強化が実現できる。ユーザーにとっても交換業者が大手企業であることで、安心感が高まり、仮想通貨の利用促進につながる可能性がある。

ヤフーの戦略としてはこうした事業を早期に立ち上げるため、新規に登録業者となるよりも、すでに登録を済ませているビットアルゴ取引所東京に資本参加する方がメリットが大きいと判断したものとみられる。ビットアルゴ側からすれば、セキュリティ-システム強化のための資金が得られることとなり、双方にメリットがある。

仮想通貨を巡る動きが活発化

金融庁は2017年4月に仮想通貨交換業者に登録制を導入し、現在国内には登録業者16社、みなし業者16社がある。金融庁は2月以降、登録業者と、みなし業者への立ち入り検査を行い、セキュリティーなどの面で水準を満していないFSHO(横浜市)などの業者7社に対し業務停止命令や業務改善命令を出した。こうした業者では事業を続けるためには巨額の資金が必要となることから、提携や合併が予想されていた。

仮想通貨を巡ってはさまざまな動きが現れている。金融庁は3月に無登録のまま日本で営業をしている、世界最大とされる香港の仮想通貨交換業者に警告を出した。また財務相・中央銀行総裁会議(G20)が仮想通貨の監視強化の方針であることが伝えられている。さらにカナダ金融情報大手トムソン・ロイターが仮想通貨の動きを分析する新たなサービスを開始すると発表している。

文:M&A Online編集部