韓国事業からの撤退も

一方、韓国のM&A状況は件数が3件(買収1件、譲渡2件)で、金額は約13億円だった。2019年現時点での金額トップはオプトホールディング<2389>によるインターネット広告の韓国子会社eMFORCEの譲渡。同社は韓国事業から手を引き、デジタルシフトが加速する日本国内のマーケティング事業に注力するという。

2位は内外トランスライン<9384>による韓国物流倉庫会社の韓進海運新港物流センターの子会社化で、3位はワールド<3612>による衣料品子会社World Koreaの譲渡だった。

日韓関係、米中の貿易摩擦はいずれも先行きが見通せない状況だが、日韓関係は感情的な問題も加わり、信頼回復には長い時間がかかりそう。一方、米中の貿易摩擦は6月に開催されたG20大阪での米中首脳会談で、米国が関税の追加引き上げを行わないことで合意したことから、日韓関係よりも先行きは明るいように見える。

そもそも中国に対しては「中国メーカーからの引き合いはものすごい勢いできている。中国は必ず伸びる」(永守重信日本電産の会長)との声もあり、ビジネスの拡大には前向きな空気がある。

今後も日本企業による「中国買い、韓国売り」は続くだろうか。2019年後半は消費税率の引き上げによる景気への影響が心配されており、日本企業は難しい判断に迫られそうだ。

日本企業による韓国企業のM&A件数。赤色は買収、青色は譲渡

データ・文:M&A online編集部