最近の上場廃止銘柄で話題性のあるものといえば、昭和シェル石油が思い当たります。出光興産との3年越しの経営統合が完全子会社化という形で結実し、発展的に上場廃止に至った例といえるでしょう。

上場廃止となる理由には様々なものがあります。今回は証券取引所における上場廃止基準や最近の廃止事由について概観してみたいと思います。

市場によって異なる上場廃止基準

上場廃止基準は市場によって異なるものが定められています。例えば、東京証券取引所(一部・二部)、マザーズ、JASDAQなど、それぞれの市場に応じた上場廃止基準が設けられています。ここでは、東京証券取引所(一部・二部)の上場廃止基準のうち主要なものを紹介してみましょう。

まず、有価証券報告書などの提出遅延が挙げられます。有価証券報告書は投資家を保護するためのディスクロージャー制度において中核をなすものです。そのため、証券取引所においても提出遅延は大変重いものと受け止められていることの表れといえます。

近年では、東芝<6502>において、監査法人からの監査報告書が添付された有価証券報告書を期限内に提出できない可能性が取り沙汰されていましたが、そうした事態は回避されました。

また、有価証券報告書における虚偽記載や監査報告書における不適正意見も上場廃止基準となっています。具体的には、虚偽記載がある場合や監査報告書が不適正意見などの場合であって、かつ「直ちに上場を廃止しなければ市場の秩序を維持することが困難」と取引所が認めるときに上場廃止となる可能性があります。

その他の上場廃止基準にはどのようなものがある?

債務超過も上場廃止基準の一つとなっています。上場企業が債務超過の状態となった場合においては、1年以内に債務超過の状態を脱しないと上場廃止となります。なお、債務超過の判定は、原則として、連結貸借対照表によります。

また、「株主数が400人未満になった場合」、「流通株式数が2,000単位未満になった場合」、「流通時価総額が5億円未満になった場合」、「流通株式比率が5%未満になった場合」、「時価総額が10億円となった場合」などにも上場廃止基準に抵触するおそれがあります。