ベンチャー企業への投資方法としてCVC4.0という概念がある。日本はこの20年間、新しい企業や産業が育っておらず、経済は停滞気味だ。CVC4.0はこうした日本企業に技術革新を創出させ、経済を活性化させる力を持つという。CVC4.0とは一体どういうものなのか。

日本は20浪中、やり方を変えることが必要

CVCはコーポレートベンチャーキャピタルの頭文字で、企業によるベンチャー企業への投資を意味する。4.0は1.0、2.0、3.0の反省を踏まえた改良型で、企業によるベンチャー企業への最新の投資スタイルを指す。

2019年6月18日に東京・大手町でCVC4.0をテーマにしたセミナーが開かれた。法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科教授で一橋大学名誉教授の米倉誠一郎氏はオープニングスピーチで「日本は大学受験で言えば20浪しているようなもの。2浪、3浪ならいいが、20浪となれば今までのやり方を変えなければならない」とし、投資方法の変更の必要性を説いた。

そのうえで米国シリコンバレーのベンチャーキャピタルであるペガサス・テック・ベンチャーズ代表パートナー兼CEO(最高経営責任者)の アニス・ウッザマン氏がCVC4.0について解説した。

それによるとCVCは大企業がファンドを使って、技術革新を起こすために戦略投資を行うもので、大企業がベンチャー企業と一緒になって自分たちの技術を磨き、自分たちの事業を改善し、効果があるようであればM&Aに踏み切るものだという。

1980年中ごろに起こったCVC1.0は複数の大企業が同じファンドに出資するスタイルで、ファンドマネージャーが意思決定するため、大企業の意向が反映されにくかった。さらにベンチャー企業と協業したくても複数の投資家がいるため協業がうまく進まなかった。

そこで2000年ごろから始まったCVC2.0では大企業が投資のための子会社を設立し、投資家である大企業が意思決定できるようにした。しかし、社内の人材ではベンチャー企業やスタートアップ企業に詳しくないため、案件の発掘や育成に限界があった。

さらに2010年ごろから始まったCVC3.0では子会社のファンドをそのまま維持し、外部からファンドマネージャーを招いて運用するようになった。しかし大企業に特許を盗まれるのではないかとの警戒感から最先端技術を持つスタートアップ企業に出会える機会が少ないという問題が生じた。