新型コロナウイルスの影響で業績予想を下方修正する上場企業が後を絶たない。信用調査会社の帝国データバンク(東京都港区)が2020年4月28日までに発表された上場企業の業績予想の下方修正情報をまとめたところ、新型コロナウイルスの影響によって消失した売上高の合計額は2兆9089億3600万円と3兆円に迫ることが分かった。

売上高の消失額は前回調査(4月23日)より約 7772 億 4400 万円増加しており、そのうちパナソニック<6752>(売上減少額2500億円)、デンソー<6902>(同1100億円)、三菱自動車工業<7211>(同1800億円)の3社(3社合計の売上減少額5400億円)で、全体の69.5%を占めた。

同社の調査では新型コロナウイルス関連倒産も4月30日15時時点で109件に達し、2件目のパチンコ店倒産も発生した。

三菱自動車は赤字転落

パナソニックは外出制限などに伴う販売滅少や、部品調達難などによる工場の停止、稼働率低下などを理由に2020年3月期の売上高予想を7兆7000億円から7兆4500億円に引き下げた。

ただ、利益については新型コロナウイルス感染拡大によるマイナス影響を固定費削減などでカバーし、営業利益、税引き前利益ともに前回予想を据え置いた。さらに資産売却益などが増加するため当期利益は100億円増える見込み。

デンソーは新型コロナウイルス感染拡大による影響で、工場の稼働停止や生産調整による操業度悪化を理由に、2020年3月期の売上高予想を5兆2600億円から5兆1500億円に引き下げた。

利益の落ち込みはさらに大きく、営業利益は2190億円、税引き前利益は2290億円、当期利益は1620億円の大幅減益となる。同社は4月30日に2020年3月期の決算発表を行っており、ほぼ予想通りの数字となった。

三菱自動車工業はグローバル自動車需要の低迷に、新型コロナウイルス感染拡大の影響が加わり販売台数が大幅に減少したことから、2020年3月期の売上高予想を2兆4500億円から2兆2700億円に引き下げた。売り上げダウンに伴って営業損益は120億円の黒字を確保するものの、経常損益は50億円の赤字に、当期損益も260億円の赤字に転落する見通し。

【パナソニックの2020年3月期の業績予想】

  売上高 営業利益 税引き前利益 当期利益
前回予想 7兆7000億円 3000億円 2900億円 2000億円
今回予想 7兆4500億円 3000億円 2900億円 2100億円
増減額 △2500億円 0 0 100億円

【デンソーの2020年3月期の業績予想と実績】

  売上高 営業利益 税引き前利益 当期利益
前回予想 5兆2600億円 2800億円 3180億円 2460億円
今回予想 5兆1500億円 610億円 890億円 840億円
増減額 △1100億円 △2190億円 △2290億円 △1620億円
実績5兆1534億7600万円 610億7800万円 896億3100万円 846億2200万円
前年度比 △3.9   △80.7   △74.8  △69.7

【三菱自動車工業の2020年3月期の業績予想】

  売上高 営業損益 経常損益 当期損益
前回予想 2兆4500億円 300億円 200億円 50億円
今回予想 2兆2700億円 120億円  △50億円 △260億円
増減額 △1800億円  △180億円  △250億円  △310億円

群馬の有楽商事が倒産

倒産も相次いでいる。営業自粛要請に応じない経営姿勢が話題になっているパチンコ店では赤玉(東京都杉並区)に次ぐ2件目の倒産が発生した。

帝国データバンクによると群馬県内でパチンコとスロットを併設した店舗を展開していた有楽商事(群馬県沼田市)は4月30日に東京地裁から破産手続き開始決定を受けた。

赤字が慢性化していた中、新型コロナウイルス感染拡大に伴い4月14日から全店舗を臨時休業としていたが、事業継続を断念した。群馬県内での新型コロナウイルス関連倒産は同社が初めてという。

文:M&A Online編集部