新型コロナウイルスの影響で上場企業の259社が業績予想を下方修正した結果、2兆円を超える売上高が消失する見通しであることが分かった。 

信用調査会社の帝国データバンク(東京都港区)が4月22日までに発表された上場企業による業績予想の下方修正情報をまとめたところ、消失した売上高の合計額は前回調査(4月16日)から約3900億900万円増え、約2兆1316億9200万円に達した。 

下方修正の要因は「来店数・利用客の減少」「中国工場の操業停止」「インバウンド需要の減少」などが目立つという。 

ANAの当期純利益は70%強の減益に 

今回の調査期間中に業績予想の下方修正を発表した主な企業の一つである出光興産<5019>は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済の急激な冷え込みや原油価格の急落などを理由に、2020年3月期の売上高を前回予想より1000億円引き下げ6兆円とした。減収率は前回予想比1.6%減とさほど大きくないが、営業損益、経常損益、当期損益はいずれも赤字に転落する。

このほかANAホールディングス<9202>は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う世界各国の入国制限や日本国内での移動自粛などの影響で需要が急減したため、2020年3月期の売上高は前回予想比1200億円減の1兆9700億円にとどまる見込み。こちらも減収率は同5.7%減とさほど大きくないが、営業利益、経常利益は50%を超える減益に、当期純利益は70%を超える減益となる。 

日本航空(JAL)<9201>も同様の要因で、2020年3月期の売上高は同5.0%減にとどまるが、営業利益、経常利益は30%に迫る減益に、当期純利益は40%を超える減益になる見込み。

社名   売上高 営業損益 経常損益 当期損益
出光興産 今回修正予想 6兆円 △50億円 △150億円 △250億円
前回との差額 △1000億円 △1700億円 △1650億円 △1250億円
増減率 △1.6%
ANAHD今回修正予想 1兆9700億円 600億円 580億円 270億円
前回との差額 △1200億円 △800億円 △790億円 △670億円
増減率 △5.7% △57.1% △57.7% △71.3%
日本航空 今回修正予想 1兆4110億円 1000億円 1020億円 530億円
前回との差額 △750億円 △400億円 △430億円 △400億円
増減率 △5.0% △28.6% △29.7% △43.0%

※ANAHDはANAホールディングス

新型コロナ関連の倒産件数は85 件 

帝国データバンクによると新型コロナウイルス感染拡大の影響で関連倒産も相次いでおり、4月23日16時時点で倒産件数は85件に達している。 

新型コロナウイルスの感染拡大の防止を目的に営業の自粛を求められているキャバクラにも倒産が発生した。 

東京商工リサーチ(東京都千代田区)が4月23日に公開した情報によると、仙台市でクラブとラウンジの2店舗を運営していたアライバル(仙台市)が4月15日に仙台地裁に破産を申請した。競合による経営環境の悪化から業績が伸び悩んでいたところに、新型コロナウイルスの影響で客足が遠のき、先行き業績好転の見通しが立たなくなったという。

文:M&A Online編集部