すき家(東京都港区)と吉野家(東京都中央区)の牛丼大手2社が、新型コロナウイルス対策の一環として新しい施策を打ち出した。両社とも2020年3月の既存店売上高が前年実績を下回っており、新型コロナウイルス感染拡大の影響を否定しがたい状況にある。 

そうした中、前年度並みの売り上げを維持するためには利用者の感染リスクを引き下げ、安心して利用できる体制を作る必要がある。そこで打ち出したのがデリバリーサービスと、社会的距離の確保。 

他の飲食店でも同様の動きがあり、目新しさはないものの国民食とも言われる牛丼を巡る取り組みだけに関心を集めそうだ。 

配送手数料を無料化

吉野家は2020年4月13日から4月19日までフードデリバリーサービス「Uber Eats」(ウーバーイーツ)の利用者を対象に、配送手数料を無料にするとともにポテトサラダをプレゼントするキャンペーンを実施する。対象の店舗は428店舗で、キャンペーン期間中は何度でも無料配送サービスを受けることができる。 

併せて、デリバリーサービス「出前館」の利用者を対象にした送料無料キャンペーンも実施する。期間はUber Eatsと同じ4月13日から4月19日までで、対象の店舗は328店舗。キャンペーン期間中は何度でも送料が無料になる。 

吉野家では今回の取り組みを新型コロナウイルス対策とはしていないが、デリバリーは人との接触を避けることができるため、感染拡大防止効果が見込めるとして東京都や大阪府などが利用を推奨しており、多くの飲食店がデリバリーシステムを導入している。 

吉野家では今後デリバリーサービス対応店舗を増やしていくとしている。

繁華街の店舗でカウンター席を半分に 

すき家は繁華街など人口密集地に位置する東京都や大阪府の122店舗でカウンター席を半分に減席する。 

来店客同士の距離を確保し、密度の高い空間をなくすのが狙いで、4月13日から当面の間実施する。一方テーブル席については減席せず、従業員からの相席の要請を自粛するという。 

また自治体の要請により4月14日から大阪府内の134店舗と、福岡県内の48店舗で食事の提供を5時から20時までとし、20時から5時まではテイクアウト販売のみの営業形態に変更した。兵庫県内の72店舗については4月15日から同様の措置を取る。 

すき家ではすでに4月11日から東京都内の253店舗、神奈川県内の162店舗で20時以降はテイクアウト販売のみに切り替えている。 

すき家の2020年3月の既存店売上高は前年同期比92.2%で、2020年3月期(2019年4月-2020年3月)では2019年7月の同98.6%を上回る最も大きな落ち込み(前年割れとなったのは2019年7月と2020年3月の2カ月のみ)となった。 

一方、吉野家の2020年3月の既存店売上高は同98.2%と前年割れとなったものの、来店客数は同100.1%と前年並みを維持しているため、集客には新型コロナウイルスの影響は表れていないようだ。

文:M&A Online編集部