ラーメン店「一風堂」などを運営する力の源ホールディングス<3561>が2017年3月の上場以来、初めてとなる最終赤字に転落する。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う店舗休業などの影響で売り上げが減少したほか、国内外15店舗で、固定資産の減損損失として7億7000万円の特別損失を計上するのが要因。 

これまで順調に業容を拡大してきた同社だが、2025年までに国内外600 店舗の達成を目指す中期計画については見直しの必要に迫られることになりそうだ。 

役員報酬の減額も 

力の源ホールディングスは2020年4月14日に2020年3月期の業績予想を下方修正し、当期損益が2億2000万円の赤字に陥る見通しを明らかにした。 

休業の影響で売上高が当初予想の300億1000万円から10億1000万円少ない290億円に減少。これに伴って営業利益は11億5000万円から6億8000万円に、経常利益は10億7200万円から6億円に、それぞれ40%強減少する。 

これに特別損失が加わり、当期損益は7億円の黒字から一転、赤字に陥ることになった。同社では赤字転落の責任を取って4月から6月まで代表取締役をはじめとする役員の報酬や給与を10%-32%減額する。 

力の源ホールディングスは1979年に創業者の河原成美氏が、福岡市内にレストランバーを開業したのが始まりで、1985年に福岡市内に「博多 一風堂」をオープンしたあと1986年に同社を設立した。 

ホームページで公表している2005年以降の売上高は右肩上がりで、2019年12月末には国内外合わせた店舗数は293店舗に達している。 

同社は業績の下方修正を発表した同日に、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、国内外の決算業務や監査業務が遅れているため、当初2020年5月12日に予定していた2020年3月期の決算発表を2020年5月22日に延期すると発表。 

同時に緊急事態宣言が出された東京や大阪など7都府県の93店舗を4月8日以降臨時休業していることもあり、2021年3月期の業績予想を未定にする予定であることも公表した。 

さらに2025 年までに国内外600 店舗の達成を目指す中期計画については「現在その妥当性等を再検討している」とし、見直しの可能性を匂わせている。 

今後同社がどのように巻き返してくるのか。新型コロナウイルス終息後に博多豚骨ラーメンの真価が問われることになりそうだ。

【力の源ホールディングスの業績推移】単位:億円、2020年3月期は見込み

  2016年3月期 2017年3月期 2018年3月期 2019年3月期 2020年3月期
売上高 208.65 224.3 244.51 274.66 290
営業利益 5.02 6.09 9.05 9.57 6.8
経常利益 4.3 5.39 8.72 9.22 6
当期損益 1.25 2.71 6.34 6.15 △2.2

文:M&A Online編集部