米アップルが2020年3月18日、新型「iPad Pro」を発表した。日本での発売日は同25日。背面カメラを従来の単眼カメラから「iPhone 11」と同じ2眼のデュアルカメラとし、3次元での空間認識センサー「LiDARスキャナー」を初搭載している。

iPadシリーズとしては初のデュアルカメラを搭載した(同社ホームページより)

話題豊富な新型iPad Pro

しかし、今回の発表で最も注目されたのは本体ではなく純正アクセサリー(周辺機器)のタッチパッド付きバックライトキーボード「Magic Keyboard」。従来は指またはタッチペンで画面に直接触れて操作するのが標準だったが、タッチパッドがアップル純正の「標準仕様」に加わったことでキーボードから手を放さずに操作できるパソコンと同じ操作が可能になる。

この新しい「iPad Pro」、果して「買い」なのだろうか?結論としては「待ち」だ。理由は3つある。

(1)5Gに対応していない。
 「iPad Pro」シリーズには無線LANにのみ対応する「Wi-Fiモデル」と、携帯回線によるモバイル通信にも対応する「Wi-Fi + Cellular」モデルがある。このうち「Wi-Fi + Cellular」は現行の4G LTE規格であり、近く正式サービスが始まる第5世代移動体通信(5G)には対応していない。同9月には「iPhone12」シリーズが5Gに対応する予定で、併せて「iPad」の最上位モデルである「Pro」もマイナーチェンジで対応する可能性がある。

(2)次のモデルチェンジが近い
 ならば「Wi-Fiモデル」なら問題ないのか?そうとも言えない。タブレットの「頭脳」に当たるCPUは「A12Z Bionicチップ」であり、ベースとなるのは現行の「iPhone11」シリーズの「A13 Bionicチップ」よりも1世代古い。
「A12Z」は前モデルの「iPad Pro」に搭載されていた「A12X Bionicチップ」の改良型で、アップルも同CPUを「iPad史上最高のパフォーマンス」と表記するに留めており、定番の「従来モデルの〇倍高速」という表現を使っていない。その一方で同時発売したパソコンの新型「MacBook Air」では「CPUパフォーマンスは最大2倍」と明記しているところをみると、「A12Z」はわずかな性能アップなのだろう。
 5G対応のマイナーチェンジがあれば、併せて次期「iPad Pro」も「A13X Bionicチップ」にアップグレードするだろう。iPhoneに搭載されている「A13」は「A12」に比べて、処理速度は最大20%速く、消費電力は最大30~40%少ないとされている。
 「iPad Pro」に搭載される「A13X」も、その程度の性能向上を実現するはずだ。Wi-FiモデルもWi-Fi + Cellularモデルと同じCPUを搭載する。秋以降に登場するマイナーチェンジモデルを待つべきだろう。