不動産・ホテル業のユニゾホールディングスに対し、従業員による買収(EBO)を目的にTOB株式公開買い付け)を実施中のチトセア投資(東京都中央区)は18日、1株5700円の買付価格を300円引き上げて6000円にすると発表した。買付価格の引き上げは2月9日以来2度目で、2019年12月24日にTOBを開始した当初の5100円に比べて900円高い。

今回、買付期間も3月26日から4月2日に5営業日延長した。買付期間の延長は5度目となる。

エリオット、いちごはTOBに応募契約

13.14%を保有するユニゾ筆頭株主で米投資会社のエリオット・マネジメント、第2位株主で9.33%を保有する国内ファンドのいちごアセットマネジメントはそれぞれ買付価格6000円でTOBに応募する契約をチトセア投資と締結した。

18日のユニゾ株の終値は70円安の5250円。ユニゾ株価の終値は2月下旬に6010円の高値をつけたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて株式市場が混乱する中、3月9日には5700円の買付価格と並ぶ水準まで下落し、その後も下げ足が強まっている。

18日の時点では買付価格がユニゾ株価を450円上回り、TOB成立が濃厚な情勢にある。

こうした中、300円引き上げて買付価格を6000円としたのは、米投資会社ブラックストーンが1株6000円でTOBを提案(ユニゾの同意が前提)していることを踏まえ、株主共同の利益に配慮した形だ。

フォートレスはついに撤退か

一方、ユニゾを巡ってはソフトバンクグループ傘下の米投資会社フォートレス・インベストメント・グループが1株5200円でTOBを実施していた。しかし、買付期間の3月18日までに延長措置をとらなかったことから、TOB撤退を決断したものと見られる。

フォートレスは2019年8月にユニゾへのTOBを開始し、買付価格の引き上げを2度(昨年11月、今年1月)はさんで、買付期間はこれまで14度延長され、140営業日に及んでいた。

文:M&A Online編集部