ソフトバンクグループ<9984>は2019年9月12日、子会社のヤフー<4689>を通じてアパレルネット通販のZOZO<3092>TOB株式公開買い付け)で買収すると発表した。

TOBは成功するか

買付価格は1株2620円(前日終値に20.96%上乗せ)で、上限の1億5295万2900株(持株比率50.1%)を取得した場合、買収総額は約4000億円に上る。ZOZOの上場は維持する。

買収でヤフーが展開するネット通販事業で、ZOZOが運営する「ゾゾタウン」の抱える若年層の顧客を取り込む。問題はこのTOBが成功するかどうかだ。

ソフトバンクは傘下の投資ファンド米フォートレス・インベストメント・グループが旅行大手エイチ・アイ・エス<9603>に敵対的TOBを仕掛けられたユニゾホールディングス<3258>を救済するため、新たなTOBを実施した。

ところがユニゾ株はTOBを受けて高騰。同12日午前に一時4315円と、買付価格の4000円を上回る状態が続いている。エイチ・アイ・エスは撤退したが、ソフトバンクによるTOBも買付期限を迎える10月1日に不成立となる可能性が高い。

「買付価格超え」目前のZOZO株

ユニゾへのTOBはエイチ・アイ・エスによる買収阻止が目的なので、不成立でも「結果オーライ」だろう。しかし、ZOZOは違う。取引開始直後に2575円の高値をつけた。買付価格との差額は45円にまで縮まった。

株価が買付価格を上回っても、応募を明らかにした前沢友作前社長の保有株があるため、なんとか下限の1億196万8591株(3分の1超)を確保してTOBが成立する望みはある。

とはいえ、TOBを確実にするには買付価格を引き上げるしかない。国内アパレル市場は確実に縮小しており、買付価格を引き上げてまでTOBをする価値があるかは疑問が残る。事前に想定されていたこととはいえ、ZOZOの株価高騰でソフトバンクは頭を痛めることになりそうだ。

文:M&A Online編集部