消費者庁は2019年6月13日、実際とは異なる原産国を記載して有名ブランドの化粧品や雑貨をオンライン販売したとして、大手百貨店の高島屋<8233>に景品表示法違反の措置命令を出しました。

7月に消費者庁から公表された「景品表示法に基づく法的措置件数の推移及び措置事件の概要」(令和元年6月30日現在)によると、2019年度に入ってからの国による措置命令は8件、課徴金納付命令は5件、都道府県知事による措置命令は3件となっています。

以下では、本年度に措置命令が出されたいくつかの事例を紹介しながら、景品表示法のアウトラインを確認してみましょう。

品質や原産地だけではない景品表示法の規制

2019年6月21日には、電子タバコのiCOSを販売するフィリップ・モリス・ジャパンに対して措置命令が出されています。これは、キャンペーン期間中にiCOSキットを購入した人に限り、商品の値引やnanacoポイントの付与が受けられるという広告をコンビニ設置のフライヤーに記載したことによるものです。

実際には、それ以外の期間であっても値引やポイントの付与が受けられる状態にありました。このように、消費者に対して「いま買えば得をする」という誤った認識を与えるものも景品表示法違反になります。

また、別の事例として、大阪府が2019年3月19日に産業経済新聞社およびその専売所に対して措置命令を出しています。産経新聞の専売所(個人事業主)が一般消費者と新聞購読契約を締結するあたって、電動アシスト自転車(8万1000円相当)など告示に定める範囲を超えた景品類を提供していたことが原因です。

こうした過大な景品類を提供することも景品表示法で禁止されています。これは消費者が景品に惑わされて合理的な商品選択ができなくなることを防止する趣旨の規制といえます。

景品表示法による不当な顧客誘引の類型は?

一般消費者の利益を保護するべく、景品表示法は不当な顧客誘引を禁じています。この規制は大きく分けて「不当表示の禁止」と「景品類の制限および禁止」の2つに分類されます。

1つ目の「不当表示の禁止」は、さらに上述の高島屋の事例のような「優良誤認」とフィリップ・モリス・ジャパンの事例のような「有利誤認」に分けられます。

「優良誤認」は商品やサービスの品質、規格その他の内容について、実際のものや事実より著しく優良であると一般消費者に誤認させるものを指します。また「有利誤認」は商品やサービスの価格や取引条件について誤認させるものです。

これに対して、2つ目の「景品類の制限および禁止」は過大な景品類の提供を規制するものです。ここでいう景品類とは、顧客を誘引する手段として取引に付随して提供される物品や金銭などの経済上の利益を指すとされます。先ほどの産業経済新聞社の事例はこの「景品類の制限および禁止」に分類されるものです。