傘下の元気寿司と回転ずしチェーン大手のスシローグローバルホールディングスとの経営統合を断念した米卸大手の神明ホールディングス(神戸市)が、農産物のネット販売サイト「食べチョク」を運営するビビッドガーデン(東京都渋谷区)と資本業務提携した。 

神明は元気寿司とスシローの経営統合による販路拡大を成長戦略に据えてきたが、今回の資本業務提携はこれに代わる新たなM&A戦略の幕開けとなるのか。 

ネット販売による販路拡大にカジ 

神明とビビッドガーデンの両社は、提携を機に米をはじめとする農産物の取り扱いの拡大や、消費者向け「食べチョク」のサービスの充実、飲食店向け「食べチョクPro」での販売先の拡大、配送の効率化などに取り組む。 

資本提携については詳細を明らかにしていないが、企業規模の大きい神明が、ビビッドガーデンの株式を取得したものと思われる。保有割合なども明らかではないが、神明がビビッドガーデンに与える影響は小さくないだろう。 

食べチョクの画面(リリースより)

ビビッドガーデンはこだわり農家に高い利益率での販路を提案するオンラインマルシェ「食べチョク」を提供しており、全国の450軒以上の生産者が登録している。 

「食べチョク」には基準を満たした生産者であれば誰でも無料で出品者登録ができ、消費者がサイト上に出品された食材を購入すると、収穫後すぐに生産者が消費者に食材を直送する仕組み。 

神明は基幹事業の米事業に加え、無菌包装米飯、炊飯米などの加工食品の製造販売、外食事業の展開などに取り組んでいる。 

両社はビビッドガーデンの持つ「食べチョク」のプラットフォームと神明の持つ物流関係を含めたグループ会社との連携により、生産者により多くの価値を提供できるとしている。 

神明は今回の資本業務提携で、寿司店という実店舗での販路拡大からネット販売による販路拡大にカジを切ったことになる。今後ネット分野での資本業務提携は増加するのか、さらにはM&Aにまで発展するのか。次の一手が注目される。 

文:M&A Online編集部