ドラッグストア業界7位のココカラファインは14日、同5位のマツモトキヨシホールディングス(HD)との経営統合に向けた協議を始めると発表した。ココカラは並行して、同6位のスギホールディングスとも統合を検討していたが、店舗作業の効率性やプライベートブランド(PB)商品の開発などで大きなシナジー(相乗効果)が見込めるとしてマツキヨHDとの統合に傾いた。
業界初「1兆円企業」が近づく
ココカラは可及的速やかにマツキヨHDに対して独占交渉権を付与する予定。今後、早期に基本合意書の締結を目指す。最終的に統合が実現すれば、売上高は1兆円規模となり、業界トップを争うツルハホールディングス、ウエルシアホールディングスを抜いて首位に立つ。
ココカラファインは4月にマツキヨHDと資本業務提携に向けた検討開始を発表した。6月にはスギHDと経営統合について協議をスタートしたが、この直後にマツキヨHDから資本業務提携に代えて統合の打診があった。ココカラは特別委員会を設け、スギHD、マツキヨHDの両社による統合提案の内容について検討・確認を行ってきた。特別委員会からの報告を踏まえ、14日の取締役でマツキヨHDとの統合協議の開始を決定した。
ココカラは関東と関西を主力地盤とし、1354店舗(3月末現在)を持ち、19年3月期の売上高は4005億円。マツキヨHDは関東を基軸に全国に1654店舗(同)を展開し、19年3月期の売上高は5759億円。

マツキヨHDは首位を奪還へ
マツキヨHDは17年3月期まで業界首位だったが、積極的なM&Aで規模を拡大してきたウエルシアHDにその座を奪われた。マツキヨHDとして今回、ココカラと統合にこぎつければ、首位を奪還し、業界初の1兆円企業に王手をかけることになる。
一方、ココカラとの協議を終了したスギHDは同日、「M&Aや戦略的提携などがあれば、積極的に検討し企業価値と株主価値の向上に努める」とのコメントを発表した。
◎ドラッグストア大手の顔ぶれ
社名(本社) | 売上高 | 店舗数 |
ツルハHD(札幌市) | 7824億円 | 2075店 |
ウエルシアHD(東京都千代田区) | 7791億円 | 1878店 |
コスモス薬品(福岡市) | 6111億円 | 1004店 |
サンドラッグ(東京都府中市) | 5880億円 | 1147店 |
マツモトキヨシHD(千葉県松戸市) | 5759億円 | 1654店 |
スギHD(愛知県大府市) | 4884億円 | 1190店 |
ココカラファイン(横浜市) | 4005億円 | 1354店 |
※売上高、店舗数は各社の直近決算期に基づく。HDはホールディングス
文:M&A Online編集部