東芝の臨時株主総会で前例のない否決 2分割は白紙

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2022年 ロイター/Issei Kato

[東京 24日 ロイター] - 東芝が24日に開いた臨時株主総会では、会社提案、株主提案ともに否決された。今後、戦略の立て直しを再び迫られる事態となり、同社の経営をめぐり、先行き不透明感が一段と強まった。

島田社長「あらゆる選択肢検討」

総会では、会社側が事業の2分割化を、第2位株主3Dインベストメント・パートナーズが非上場化の検討を含め、戦略の見直しを提案。ともに否決された。

今回の決議に法的拘束力はないが、株主の意見が明確に示された以上、見直しは不可避の情勢だ。今月1日の就任後、早速試練の時が訪れた島田太郎社長は「今回示された株主の意見を踏まえ、企業価値向上のために、あらゆる戦略的選択肢の検討を行っていく」と述べた。

マネックス証券で専門役員を務めるイェスパー・コール氏は、今回の結果を「株主は会社に影響を与えることができるが、会社が将来を見出すには結局、強力な経営陣が必要ということ」と総括。両案の否決は「島田社長に一任を与えたものといえる」と受け止めたという。

189人が出席したきょうの総会には、元東芝社員という株主ら14人が、事業売却や経営方針などについて相次ぎ質問。取締役会議長として登壇した綱川智前社長は「変革をわれわれの手で進めたい」と会社提案への理解を重ねて求めたが、叶わなかった。

一時5%安の株価反転、大株主が追加取得の思惑か

総会の結果を受けて、この日の東京株式市場では、後場寄りから東芝株に売り注文が集中。午前の小幅高から一転、一時5%安まで急落した。しかし取引終了にかけて急速に切り返し、0.5%安で取引を終えた。

市場では、大株主らのいわゆるアクティビストが、同社株を追加取得する可能性を指摘する声が出ていた。ユナイテッド・ファースト・パートナーズのアジア調査部門責任者、ジャスティン・タン氏は「会社提案を否決したことでアクティビストは勢いを増すだろう。彼らは圧力をかけ続ける。今後さらに保有株を増やす可能性も考えられる」とみている。

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