NEXT STORY
「後継者難倒産」が過去最多に 官民上げての事業承継支援策とは
超高齢化社会が訪れ、雇用や医療、福祉などにさまざまな影響がでるとされる「2025年問題」が、中小企業の事業承継でも深刻化してきた。官民を上げて事業承継問題に取り組む動きが活発化。どんな事業承継支援策があるのか。
2022 年度(2022年4月~2023年3月)に正社員の採用を予定している企業が4年ぶりに増加した。
帝国データバンクが2022年2月に、全国の2万4213社を対象に雇用に関する企業の意識調査(有効回答率47.8%)を行ったところ、採用予定があると回答した企業は2021年度調査比6.9ポイント増の62.2%となり、4年ぶりに増加に転じたことが分かった。
また、採用予定のある企業のうち、採用人数を増やすとした企業は25.5%(前年度比5.5ポイント増)で、コロナ前の2018年以来の4年ぶりの水準となった。
社員の高齢化や2024年問題(ドライバーの労働時間制限に伴う諸問題)、海外技能実習生の入国制限、デジタル技術で生活やビジネスを変革するDX(デジタルトランスフォーメーション)化の流れなどが、採用増加の要因という。
ただ新型コロナウイルスの変異株の感染拡大や、ウクライナ情勢、原材料価格の高騰などによる影響で、国内景気や生産活動が落ち込めば、雇用動向が悪化する懸念があるだけに、調査通りの結果となるかどうかは予断を許さない状況だ。
調査企業は大企業16.5%、中小企業は83.5%の割合で、全国の製造業や卸売業、小売業、サービス業など10業界51業種を対象に実施した。
4 社中1社が採用を増やすとした正社員については、採用を減らすとした企業が6.9%(同1.8ポイント減)、採用予定がないとした企業が27.4%(同5.1ポイント減)とそれぞれ低下しており、採用に後ろ向きな企業が減少していることも分かった。
規模別では採用予定があると答えた企業は、大企業が84.5%、中小企業が57.8%で、大企業に積極的な姿勢が強く現れた。
非正社員についても同様の傾向が現れており、採用予定があるとした企業は46.3%で、前年度よりも9.5ポイント高まった。また、採用人数を増やすとした企業も12.5%と、同4.3 ポイント増え、3年ぶりに10%台に乗った。
さらに採用人数を減らすとした企業は前年度比1.4ポイント減の5.3%、採用予定がない企業は同7.1ポイント減の41.1%だった。
企業が求める職種については、トップが販売、営業職の41.7%で、次いで、開発、製造技術者などの34.3%、役員、管理職などの20.9%、一般事務員などの20.0%と続いた。
帝国データバンクでは、少子高齢化で労働人口の減少が見込まれ、先行きへの不透明感が増大する中、企業が事業活動を継続、発展させていくためには「従業員の多様化、多能工化、DX、従業員のリスキリング(新しいスキルを身につけること)などの取り組みがより重要になるだろう」としている。
文:M&A Online編集部
これが、M&A(企業の合併・買収)とM&Aにまつわる身近な情報をM&Aの専門家だけでなく、広く一般の方々にも提供するメディア、M&A Onlineのメッセージです。私たちに大切なことは、M&Aに対する正しい知識と判断基準を持つことだと考えています。M&A Onlineは、広くM&Aの情報を収集・発信しながら、日本の産業がM&Aによって力強さを増していく姿を、読者の皆様と一緒にしっかりと見届けていきたいと考えています。
超高齢化社会が訪れ、雇用や医療、福祉などにさまざまな影響がでるとされる「2025年問題」が、中小企業の事業承継でも深刻化してきた。官民を上げて事業承継問題に取り組む動きが活発化。どんな事業承継支援策があるのか。