「トヨタを関電に奪われるな!」

東電と東京ガス<9531>、中部電と東邦ガス<9533>の間では、互いが「過当競争」を避けており、大規模なスイッチングは起きていない。一方、値下げ攻勢による地元での顧客の奪い合いで疲弊した大阪ガスと関電は、相次いで地域外に活路を見いだそうと進出した。

大阪ガスは東電やJXTGホールディングス<5020>と組み、首都圏でのガス製造や都市ガス卸・小売り事業に乗り出している。関電も2016年7月に首都圏で家庭向け電力の販売を始め、2017年10月にはオリックス<8591>の子会社でマンション向け電力販売のオリックス電力(現・Next Power)を175億円で買収しするなど攻勢をかけている。

さらに関電が目を着けているのが「世界最大級の工場地帯」である東海地区だ。とりわけ中部電の大口電力収入の約3割を占めるトヨタ自動車<7203>を関電が狙っているとの観測が絶えない。関電は発電コストが安い原発の発電比率が高く、中部電よりも低価格での電力供給を提案できる。浜岡原子力発電所再稼働のめどがつかず火力発電頼みの中部電にとって、発電コストの引き下げは大きな課題となっていた。

JERAはこれまで商社任せだった液化天然ガス(LNG)などの自前調達や共同購買による燃料コスト引き下げに加えて、火力発電所の一括運営による新設やリプレース、管理にかかる経費の削減を目指す。中部電にとっては発電コストの引き下げと同時に、火力発電事業を東電と統合することで首都圏への販路も広がる。地域・業界を超えた自由化と競争の激化が、中部電をJERA設立へ走らせたのだ。

燃料調達と火力発電を統合し、競争力向上を狙うJERA(JERAホームページより)J