■M&A巧者の日本電産もカーエレに照準、デジタル地図でも主導権争いが勃発

M&Aを巧みに使って成長してきた日本電産(Nidec)も、電器M&Aの主戦場ともいえるカーエレで、存在感を拡大してきている様子だ。クルマでも数多く使われるモーターにもともと強みを持っていた日本電産だが、ミリ波レーダーユニットやセンシング用カメラモジュール、周辺監視用のカメラユニットなど運転支援技術にかかわる製品を含めて、多くの部品を提供している。

その中で、同社はモーター・アクチュエータ、電子制御ユニット(ECU)、各種センサーといったイノベーティブな分野で成長を期待しており、近年、大型のM&Aを実施している。

その一つが、本田技研工業などからのホンダエレシスの買収で、もともと自動車メーカー・本田技研工業、NEC、日信工業、ショーワが保有していたが、Nidecが2013年10月に手元現金の支払いで取得。買収金額は非公表だが134億円強だと推測される。ホンダエレシスの買収により、Nidecは、カメラ、ミリ波レーダー、EPS(パワーステアリング)、ABSといった車載電子機器の生産、供給力を強化し、カーエレでの地位向上を図っていると見ることもできる。

さらに、カーエレに関わる合従連衡はほかにもある。カーナビに関連してクルマが走行している場所を、画面にわかりやすく表示させたり、行き先を指定する際に使う、地図のデジタルデータでの主導権争いもその一つだ。

自動車向けの地図データの「台風の目」にもなっているのが、ノキアからスピンオフした「ヒア」だ。同社に対しては、独・自動車大手のBMW、アウディ、ダイムラーの3社が資本提携を行うなど、共同での事業を進めるべく、取り組みを進めている。

日系企業でも、カーナビメーカーのパイオニアと、子会社で地図検索サイト・MapFanを運営するインクリメントPも、ヒアと提携を2月に発表。自動運転車向けの地図作成で協力していくことが明らかになった。

パイオニアとインクリメントPは産業革新機構やダイハツモーター、三菱電機、パスコ、ゼンリン、アイサンテクノロジー、トヨタマップマスターとグループで、高精細な3Dデジタル地図データの作成を推進するダイナミックマッププランニング社の株式取得などに動いてもおり、ヒアだけに主導権を明け渡している構図でもない。

同社の地図データが使われれば使われるほど儲かる、デジタル地図事業でも、大きな動きを見せてくるようになりそうだ。

文:M&A Online編集部