全国展開か、それともドミナント強化か

2017年9月に青森県を中心にドラッグストア「ハッピー・ドラッグ」64店舗と調剤薬局「ハッピー調剤薬局」8店舗を運営する丸大サクラヰ薬局(売上高207億円、営業利益8億円、純資産40億円)の全株式を145億円で取得し、子会社化した。東北地方での事業基盤をより強固なものとするのが狙いだ。

2018年3月には都市部での出店を強化するため、東京都内を中心にドラッグストア42店舗を展開する一本堂(東京都荒川区。売上高91億3000万円、営業利益6600万円、純資産2億2100万円)の全株式を取得し、子会社化した。2019年3月にはウエルシア薬局が一本堂を吸収合併している。

ジュンテンドーから買収した「サンデーズ」
(ジュンテンドー ホームページより)

最近強化しているのは、中国地方。関西からさらに西へ乗り込んだ。2019年2月に子会社のウエルシア薬局を通じて、地場ホームセンターのジュンテンドーが中国地区で展開するドラッグストア「サンデーズ」を取得した。取得したのは「サンデーズ」の江津店(島根県)、浜田店(同)、下本郷店(同)、川本店(同)、益田駅前店(同)、加計店(広島県)、新見店(岡山県)の7店舗。

2019年3月にはドラッグストアを手がける1945年設立の老舗、金光薬品(岡山県倉敷市。売上高40億2000万円、営業利益1600万円、純資産3億3900万円)の株式96.6%を取得して子会社化することを決議した。金光薬品は岡山県内に31店舗(うち調剤薬局12店舗)を持つ。買収完了予定日は2019年6月1日だ。両社の買収により、ウエルシアHDの出店エリアは関東を中心に、北は東北から南は中国地方まで広がる。

現在、ウエルシアHDの空白地は北海道、四国、九州・沖縄地方の3つ。ただ、北海道は同じイオン系のハピコムグループに属するツルハHDの本拠地で、道内には399店舗の「ツルハドラッグ」がある。四国もツルハHDが2015年10月にTOBで子会社化したレデイ薬局(愛媛県)が183店舗を展開している。ハピコムグループ内の「共食い」になる可能性があり、両地方への進出に当たっては調整が必要だろう。進出できたにしても、すでにドミナントを確立しているツルハとの競争は厳しい。

残るは九州だが、ここは医薬品に加えて食品も多数品揃えした「ディスカウント ドラッグコスモス」を展開するコスモス薬品(福岡県)の本拠地で、沖縄を除く九州7県で544店舗が営業中だ。どの地方へ進出するにせよ、ライバルの大手ドラッグストアチェーンが強く、進出に当たっては激戦が予想される。ウエルシアHDが独立系の地場ドラッグストアチェーンを買収して敵地に殴り込みをかけるのか、それとも当面は自社が展開する地域での買収でドミナント強化を図るのか。同社のM&Aの戦略に注目だ。