住宅中堅のオープンハウス<3288>の勢いが止まらない。「東京に、家を持とう」をキャッチフレーズに一躍知名度を上げた同社。東京23区を中心とするエリアに、値ごろ感のある戸建住宅を集中的に供給する都心ドミナント戦略を推し進めてきた。売上高は2013年の株式上場(東証1部)からこの間、4倍に拡大し、来期(2019年9月期)はいよいよ5000億円突破を目指す。快進撃の理由とは。

「都心戸建」で新境地を開く

オープンハウスは1997年に現社長の荒井正昭氏が設立し、東京・渋谷で不動産仲介を手がけたことに始まる。その4年後の2001年、本命である新築戸建住宅の分譲に乗り出し、08年からマンション販売を開始した。都心部をターゲットに積極的に営業展開。その拠点となる「営業センター」は東京都内だけで17店あるが、多摩地区の1店(吉祥寺)を除き16店が23区に集中する徹底ぶりだ。

営業センターの総数は現在36店あり、この2年で倍増した。東京以外に、神奈川に11店、愛知、埼玉に各4店を展開するが、新規参入した埼玉では1年余りで4店を出店。同社の主戦場が「23区」から「東京圏」に徐々に広がっている様子が見て取れる。

共働き夫婦では郊外よりも通勤に便利な都心に住みたいとのニーズが根強い。しかし、多くの場合、都心に住宅を取得するのは相当な所得がないと難しいのが実情。ましてや、戸建住宅ともなれば、なおさら。そうした状況に風穴を開け、ビジネスチャンスを見出だしたのが同社だ。

照準を合わせたのは年収500万円程度の平均的な会社員。同社が提供する建売価格は土地付きで平均4400万円。都心の新築マンション価格が7000万円で高止まりする中で、「都心戸建て」の優位性ががぜん高まっているのだ。30分程度の通勤圏で、なぜ、こうした販売価格を実現できるのか。

東京23区、木造3階建て供給トップ

その一つが大手住宅メーカーなどと競合しづらい狭小地や形がいびつだったりする用地を積極的に活用し、土地の仕入れコストを抑えていることにある。もう一つは3階建ての住宅をメーンにしていること。地価の高い都心の限られた敷地面積を有効活用することで安価な住宅供給を実現している。実際、東京23区で木造3階建て供給実績はトップを誇る。

では足元の業績はどうだろうか。

敷地の有効活用へ、3階建て住宅をメーンに据える(写真は東京都内の住宅展示場)