ソラスト<6197>が介護事業で攻勢を強めている。その原動力は積極的なM&A。同社は1965年、日本初の医療事務教育機関として創業し、その後、診療報酬請求業務や受付・会計などの医療事務全般の受託に業務範囲を広げるとともに、介護、保育分野に進出した。医療関連受託事業は売上高の7割以上を占める大黒柱だが、次代の“エース”の座を託すのが介護事業だ。

300エリアで「地域トータルケア」を目指す

10月1日、ソラストは2つのM&Aを発表した。一つは介護サービス事業のJAWA(東京都港区)の全株式取得による子会社化。JAWAは2002年に設立し、大阪府や愛媛県、兵庫県などで認知症施設のグループホームや介護付き有料老人ホームなど14の事業所を運営する。売上高は約14億円。

もう一つはチャーム・ケア・コーポレーショ<6962>が大阪府内に持つ有料老人ホーム2施設の取得。チャーム・ケアは近年、アッパーミドルから富裕層を対象とする高価格帯の有料老人ホームに重点を移しつつあり、今回、中間層を対象とする施設を譲り受けた。

これらを含めて、ソラストが運営する介護事業所は現在、関東・関西圏と名古屋地区を中心に全国で約370。訪問介護やデイサービス(通所介護)などの在宅系サービスと有料老人ホーム、グループホームなどの入居系サービスを両輪とし、「自立支援と地域トータルケア」を事業理念に掲げる。

具体的には、市、区、町などの行政区やこれをさらに細分化した地域を「エリア」(介護行政区)と定め、2030年までに現在の3倍以上の300エリアに拡大する。すべてのエリアに訪問介護、デイサービス、居宅介護支援、グループホーム、有料老人ホームなどの介護サービス拠点をそれぞれ1つ以上配置する。同一エリアで様々な介護ニーズにフルラインで対応できるソラスト版「地域トータルケア」を目標とする。

現在のエリア数は87。このうちすべての介護サービスを展開するエリアは11%にとどまる。今後、2030年に向けて対象エリアの拡大とエリア内で提供できるサービスの充実をどう実現していくのか。その手立てとなるのがM&Aだ。