TOBでイオンの子会社に

同月にグローウェルHDはウエルシアHDに社名変更し、先ずは子会社の再編に乗り出す。2013年3月に寺島薬局を会社分割して同社のドラッグストア事業をウエルシア関東に統合。介護サービス部門が残った寺島薬局は2014年5月にウエルシア介護サービスに社名変更した。

2014年3月には京都府と滋賀県で食品スーパーマーケット事業を展開するジャンボなかむらが新設分割で設立したウエルシア京都の全株式を取得し、子会社化した。ウエルシア京都はジャンボなかむら11店舗の資産と権利義務を継承。その全ての店舗をドラッグストアに転換した。

ウエルシアHDは、空白地帯となっていた京都府・滋賀県でのドミナント戦略に乗り出すため、後継者難による事業承継問題を抱えていたジャンボなかむらから店舗の譲渡を受けたのだ。2014年9月にウエルシア京都は、高田薬局、ウエルシア関西と共にウエルシア関東が吸収合併し、ウエルシア薬局として再スタートを切っている。

ウエルシアHDにとって最大の転機となったのは2014年11月のイオンによるTOB株式公開買い付け)。狙いは「日本一のドラッグストアチェーンの確立」だ。買付価格は1株4000円で、過去1カ月間の同9月22日から同10月21日までの終値の単純平均値3280円に対して21.95%のプレミアムを加えた。取得額は約224億円。

TOBの結果、イオンの議決権保有比率は37.4%から50.1%に上がり、ウエルシアHDを連結子会社化した。TOB後にウエルシアHDは、イオン子会社のタキヤ(兵庫県)、シミズ薬品(京都府)、CFSコーポレーション(静岡県)のドラッグストア3社と経営統合する。

「日本一のドラッグストアチェーン」を掲げる親会社の意向を受けて、ウエルシアHDのM&Aは続く。当時、ドラッグストア業界は同社に加えてマツモトキヨシHD、ツルハホールディングス(HD)<3391>、サンドラッグ<9989>、ココカラファイン<3098>、スギホールディングス(HD)<7649>、ウエルシアHDの大手6社による「M&A合戦」の様相を呈していた。

2012年度には約4700億円にすぎなかったドラッグストア・調剤薬局のM&A総取得金額が2013年度には約2兆2000億円に跳ね上がる。イオンがウエルシアHDを子会社化した2014年度には2兆2800円とさらに増加するなど、大手各社は買収による規模拡大に奔走していたのだ。

ドラッグストア・調剤薬局の買収金額推移(M&A online編集部調べ、単位:億円)