ネット通販で利益が出ない!

そのためカタログ通販が主力だった時代は1日数万件という大量出荷に対応しなくてはならなかったものの、掲載カタログや商品の大きさ・形状別に全国各地の商品センターに出荷拠点を分散できた。

ところがECサイトが主流になると、カタログ単位ではなく、各商品単位での注文となるため、従来のカタログ販売では起こりえなかったデリバリー問題が出てくる。たとえばカタログ通販のような分散在庫のままだと、ECサイトからの注文に対してさまざまな拠点から商品をかき集めなくてはならない。

さらに、大量に商品を用意するカタログ通販だと「売り切れ後免」で済んだものが、小ロット在庫のECサイトだと在庫切れとなった商品はすぐに新しい商品に入れ替える必要があるなど、在庫管理の方法はより短時間勝負になる。

カタログというまとまった単位ではなく、個々の商品別に受注がやって来るネット通販が主力になると、物流拠点が分散しているのは望ましくない。そこで2013年にソニーイーエムシーエス美濃加茂サイト(岐阜県美濃加茂市)の跡地を取得。2015年には同跡地に子会社・ベルメゾンロジスコの物流センターを開設し、日本のほぼ中央部にある地の利を生かし、送料コストを引き下げるなどのコスト見直しも図った。

それでも千趣会の業績は好転しない。2014年12月期から2017年12月期までの4期で売上高は11.5%も減少。しかも、うち2期は赤字決算だった。ネット通販専業組のサイトは商品戦略や顧客管理、ネット上での販売プロモーションなどでカタログ通販組の千趣会よりも一枚上だったのだ。

千趣会の財務状況(2014年12月期以降)

決算2014年12月期 2015年12月期 2016年12月期 2017年12月期 2018年12月期(予想)
売上高 142,526 134,321 129,074 125,999 119,000
営業利益 3,088 -3,437 1,194 -4,287 300
経常利益 3,549 -2,540 1,673 -4,206 400
親会社株主に帰属する当期純利益 1,798 -5,307 1,420 -11,090 200
純資産合計 53,160 53,705 52,572 41,548  
現預金同等物及び短期性有価証券 7,910 14,303 16,605 17,328  
有利子負債残高 15,775 19,981 19,108 18,172  
営業活動によるキャッシュフロー 2,722 3,400 3,825 1,952  
投資活動によるキャッシュフロー -1,540 -8,053 94 -397  
財務活動によるキャッシュフロー -91 11,060 -1,580 -1,148  
フリーキャッシュフロー 1,182 -4,653 3,919 1,555  
EBITDA 5,763 -516 4,425 -2,091 2,150
EBITDAマージン 4.0 -0.4 3.4 -1.7 1.8
営業利益率 2.2 -2.6 0.9 -3.4 0.3
経常利益率 2.5 -1.9 1.3 -3.3 0.3
親会社株主に帰属する当期純利益率 1.3 -4.0 1.1 -8.8 0.2
売上原価率 52.6 54.7 52.0 56.7  
ROE 3.47 -9.93 2.67 -23.60  
ROA 1.80 -5.15 1.37 -11.53  
総資産経常利益率 3.56 -2.46 1.61 -4.37