ホンダの販社としてスタート

しかし、トヨタは「例外」ではない。すでに日産自動車<7201>やホンダ<7267>は国内販売チャンネルを一本化している。VTホールディングスは、それを逆手に取った。

創業者の高橋一穂社長は、愛知日野自動車のトップ営業マンだったという。独立当初は中古車販売会社を営んでいたが、1983年3月にVTホールディングスの前身となる「株式会社ホンダベルノ東海」(愛知県東海市)を設立する。

同4月にホンダとの間でベルノ店取引基本契約を締結し、「東海店」をオープンした。当時、すでに自動車は「贅沢(ぜいたく)品」ではなく、公共交通機関が充実していない地方では「1家に1台」から「1人に1台」のコモディティー商品(汎用品)へと移行する時期だった。

ホンダ系販社としてスタートしたVTホールディングス(Photo By Googleストリートビュー)

販売競争も厳しく、後発の同社にとっては、まともに競争しては生き残れない状況だった。そこで同社は後発の弱点をカバーするため、1998年9月に名古屋証券取引所2部に上場すると、直ちに積極的なM&Aを展開する。そもそも上場の目的はM&Aのためだったという。つまり同社のM&Aは上場前から「成長戦略の柱」と位置づけられていたわけである。

同社は1999年3月にフォードライフ中部とホンダ自販名南の株式を取得、2000年4月にホンダベルノ岐阜の販売エリアを引き継ぎ、中京ホンダの株式も取得している。上場直後は母体であるホンダ系販社のM&Aで自動車販売事業を拡大した。

2005年12月に長野日産自動車と同社子会社3社を、 2006年7月に静岡日産自動車、三河日産自動車と同社子会社3社を、2012年4月に日産サティオ埼玉と同社子会社1社を、2014年4月には日産サティオ奈良を連結子会社化するなど、日産系販社のM&Aが進んだ。

これは日産がトヨタにさきがけて1999年4月から販売店網の再編に着手した結果、業績不振に陥った販社を買収したことによる。