新車が1台も売れなくても黒字が出せる

こうしたメンテナンスサービスは、ほぼ定期的に受注があるため、自動車販売会社にとってはストック型ビジネスになる。現在、国内ディーラー部門の売上高の約45%は、ストック型ビジネスによるものだという。その象徴となる指標は基盤収益カバー率。これは新車販売以外の粗利益を販売管理費で割った数値で、新車販売以外の利益で販売管理費をどの程度カバーできるかを表す指標だ。

整備などのメンテナンスサービスで利益を確保(静岡日産ホームページより)

VTホールディングス傘下にある国内主要ディーラー6社平均の基盤収益カバー率は96.0%。長野日産や静岡日産のように100%を超えているディーラーも存在する。

理論的には基盤収益カバー率が100%を超えれば、新車が1台も売れなくともメンテナンスサービスなどのストック型ビジネスの収益だけで赤字にならない。

基盤収益カバー率が高ければ、新型モデルの投入サイクルや景気といった外部要因に左右されやすい新車販売の不安定化リスクを回避できる。

前述のトヨタによる供給車種半減といった事態が生じて新車販売が伸び悩んだとしても、当面はメンテナンスサービスで食いつなぎ、負のインパクトを緩和できるのだ。

しかし、これだけでは「守り」の経営となり、安定はするが成長は見込めない。国内自動車販売に替わる新たな成長ビジネスが必要になる。そこでVTホールディングスは、主力事業である自動車販売のターゲットを拡大する「横展開」と、異業種に参入して新たな市場を掘り起こす「縦展開」の両面作戦で成長を目指すことにした。