「親子上場の問題(その1)」

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3. 親子上場の良い点

 一方で、親子上場には良い点もあります。まず、親子上場によって親会社の株価は上がることが経験則で知られています。

 子会社の株主も親子上場であることは知ったうえで投資しており、自己責任と言えます。そもそも多くの株主は株価が上がればハッピーなのですから、親子上場で株価が上がれば誰も不幸にはなりません。

 子会社の従業員からすれば、晴れて上場企業本体の従業員になればモチベーションも上がるでしょう。福利厚生が良くなったり、個人レベルでは住宅ローンが組みやすくなり、人材採用もやりやすくなります。いい人材が士気の高い状態で仕事に取り組めば、企業価値上がるのは言うまでもありません。

 また、親会社が経営を長い目で見ることにより、短期利益を求める株主からの防波堤ともなります。オーナー企業は長期的な視点で経営しやすいと言われることがありますが、そうした経営の安定と上場企業としての知名度や資金調達を両立させる妙手が親子上場であるとも言えます。

 次回も引き続き親子上場をテーマとします。

文:株式会社ビズサプリ メルマガバックナンバー(vol.026 2016.04.13)より転載

親子上場の問題(2)の記事はこちらからお読みください

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