アリナミン・ボラギノール・キャベジン…「大衆薬」で企業買収がなぜ盛り上がる?

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ビオフェルミン製薬を7月に完全子会社化…大正製薬ホールディングスの本社(東京都豊島区)

大衆薬メーカーがこのところ、企業買収で何かと話題を提供している。各社とも知名度抜群の商品ブランドを抱えるだけに、その去就について注目度も高い。

目薬の最大手、ロート製薬は痔治療薬「ボラギノール」の天藤製薬(大阪府豊中市)を8月末に子会社化する。婚礼大手のワタベウェディングを傘下に収めるのは胃薬「キャベジンコーワ」などで知られる興和(名古屋市)だ。

「武田」の看板外し、アリナミン製薬が始動

ビタミン剤「アリナミン」や、かぜ薬「ベンザ」を看板商品とする武田薬品工業の大衆薬部門は米大手投資ファンドの傘下に入り、アリナミン製薬(旧武田コンシューマーヘルスケア)として4月に始動した。売却額はおよそ2400億円。

武田は2019年1月にアイルランド製薬大手のシャイアーを約6兆2000億円の巨費で買収したのに象徴されるように、消化器系疾患、がん領域などの医療用医薬品事業に経営資源を集中させるとし、非中核と位置づける大衆薬事業を切り離したのだ。

大衆薬は処方箋を必要とせず、薬局やドラッグストアなどで購入できる一般用医薬品のことで、近年はインターネット販売も急速に広がっている。ただ、価格競争の激しさや人口減少などを背景に、医療用医薬品を主力とする大手製薬は大衆薬事業を縮小する流れとなっている。これに対し、M&Aで事業基盤の強化に積極的なのが大衆薬の大手勢だ。

かぜ薬「パブロン」、栄養ドリンク「リポビタンD」などを展開する大衆薬最大手の大正製薬ホールディングスは5月半ば、上場子会社のビオフェルミン製薬を7月末に完全子会社化すると発表した。ビオフェルミンといえば、乳酸菌整腸剤のトップブランド。大正製薬は2008年に同社を買収し、現在約64%の株式を持つが、経営権を完全に掌握して海外展開など成長戦略を加速する考えだ。

大正製薬は2019年7月に米ブリストル・マイヤーズスクイブの大衆薬子会社のフランスUPSAを約1670億円で買収し、欧州の大衆薬市場に本格参入している。

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