【スポーツクラブ】ルネサンスとゴールドジム、コロナ禍で買収の狙いは?

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アウトドアフィットネスのBEACH TOWNを傘下に収めるルネサンス(写真は都内の店舗)

スポーツクラブ業界で2月に入り、M&Aが立て続けに起きた。買収を仕掛けたのは「スポーツクラブルネサンス」を運営するルネサンスと、「ゴールドジム」のTHINKフィットネス(東京都江東区)。新型コロナの逆風下、業界各社は入会者減と休会・退会者増のダブルパンチで苦境に陥っているが、両社の買収にはどんな狙いがあるのだろうか。

ルネサンス、アウトドアフィットネス本格参入

ルネサンスは2月3日、アウトドアフィットネス事業を手がけるBEACH TOWN(横浜市)の株式51.7%を取得し、4月1日付で子会社化すると発表した。

アウトドアフィットネスは海、山、川などの自然や地域の公園を利用してヨガやウオーキング、ランニングなどを楽しむのがコンセプト。屋外の開放感ある施設で運動することから、“三密”を避けられるなどコロナ禍であっても事業拡大が期待できると判断している。

ルネサンスはマシンジム・スタジオ・プールを完備した総合型スポーツクラブを全国展開する大手だが、今回の買収は新ジャンルのアウトドアフィットネスへの本格参入を意味する。同社は2009年にBEACH TOWNと業務委託契約を結び、一部のスポーツクラブでプログラムに取り入れていた。

BEACH TOWNはアウトドアフィットネスの日本での第一人者とされる黒野崇氏が代表を務める。同社が企画し、直営または運営受託する施設は首都圏をはじめ北海道、近畿、九州に24カ所ある。

例えば、東京都心部では日比谷公園内でヨガスタジオ、ランニングロッカー・シャワーを備えた「スポーツステーション日比谷公園」(2019年オープン)を手がけた。

日比谷公園内にある施設「スポーツステーション日比谷公園」(東京都千代田区)

ゴールドジム、地場スポーツクラブを取り込み

「ゴールドジム」のTHINKフィットネスは2月2日にホームセンターのジョイフル本田傘下のスポーツクラブ3店舗(茨城県2、千葉県1)を買収することを決めた。運営会社のジョイフルアスレティッククラブ(茨城県土浦市)の株式67%を3月1日に取得する。

THINKフィットネスは1995年に都内の第1号店「ゴールドジム イースト東京」(東京都江東区)をオープン。直営店と並行し、1998年に日本での本部を担うマスターフランチャイズ(FC)契約を結び、FC展開に乗り出した。THINKフィットネスは非上場ながら、全国約100店舗(うち3割はFC店)を持ち、セントラルスポーツ、コナミスポーツ、ルネサンス、ティップネスなどに続く業界大手につける。

引き続き33%の株式を保有するジョイフル本田は共同経営に移行し、収益改善を期待する。THINKフィットネスはトレーニングマシン、健康器具、栄養補助食品など物販面での相乗効果を期待している。

THINKフィットネスとしてM&Aは初めて。“本家”の米ゴールドジムが事実上経営破綻したのは昨年5月。米社との間に資本関係はなく、ゴールドジムの運営には特に支障は来していない模様だが、今後の成長戦略として直営、FC展開に続き地場スポーツクラブの取り込みに動き出したと受け取る向きが多い。

旗艦店の「ゴールドジム原宿東京」(東京都渋谷区)

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