スエズ座礁コンテナ船の所有会社とは?実は国内最大手企業の傘下

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欧州とアジアを結びスエズ運河で、大型コンテナ船「エバーギブン」が座礁した事故。発生から1週間かけて懸命の復旧作業が続けられ、ようやく離礁した。同船を所有するのは日本の海運会社で、愛媛県今治市に本社を置く正栄汽船だ。

座礁事故の責任を負う正栄汽船

同社は海運会社ではあるが、自らが海運事業を手掛けているわけではない。自社が所有する船舶を、日本郵船や商船三井といった「オペレーター」と呼ばれる海運会社に貸し付ける船舶貸渡業、いわゆる「船主」である。

その意味では座礁の責任は、同船を運行していた台湾の長栄海運にあるように見える。同社の英語表記である「エバーグリーン」なら聞き覚えはあるだろう。世界でもトップ5に入るコンテナ物流企業だ。

スエズ運河の座礁事故は、いわばレンタカー屋が正栄汽船、借りたレンタカーで事故を起こしたのが長栄海運という構図になる。レンタカーなら事故を起こした借り手のドライバーが事故の賠償責任を負うが、船舶では事情が異なる。

今回のような座礁事故の場合、船主に過失がなくても商法上は船長や船員が運行ミスなどで他人に損害を与えた場合は責任を負うのが原則だ。加えて船主自身の責任は無過失責任であり、今回のケースでも離礁にかかったサルベージ費用や船の修繕費用は、操船上の過失の有無にかかわらず正栄汽船が負担する可能性が高い。

スエズ運河の座礁事故で世界のコンテナ海運が大混乱に(Photo by postcardtrip )

もっともそれは船主側も承知の上で、事故に備えて船舶保険に加入している。今回のサルベージ費用や離礁後の修理費用も保険でカバーできるという。だから、今回の事故で正栄汽船の経営が傾く心配はない。

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