苦境の続く外食産業で「町田商店」「かつや」「モスバーガー」が2ケタ増収を達成

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帝国データバンクが外食事業を展開している上場企業で、月次売上高を公表している 65 社の全店売上高を集計(2021年1月28日時点)したところ、65社中90%近い57社が前年同月実績を下回った。さらに57社中10社は前年同月実績の半分以下にまで売上高が落ち込んだ。コロナ禍の中、忘年会などの年末需要が減少したのが響いたようだ。

その一方で、65社中8社は前年同月実績を上回っており、中でも横浜家系ラーメンの「町田商店」を運営するギフト<9279>、とんかつの「かつや」を運営するアークランドサービスホールディングス<3085>、ハンバーガーの「モスバーガー」を運営するモスフードサービス<8153>の3社は前年同月比2ケタの大幅な伸びを示した。

酒類の提供機会が少なく、昼食需要の多いラーメン、とんかつ、ハンバーガーの強さが際立った形だ。2021年1月は11都府県の飲食店に営業時間の短縮などを要請する緊急事態宣言が発出されており、この傾向は一段と強まりそうだ。

「はなの舞」のチムニーは73.5%減

帝国データバンクによると、2020年11月には50社が前年同月実績を下回っており、このうち減少幅が20%以上に達したのは24社(構成比48.0%)であった。

これが2020年12月は57社が前年同月実績を下回っており、減少幅が20%以上に達したのは39社(同68.4%)と大幅に増加し、飲食店の経営に厳しさが増していることが浮かび上がった。

最も落ち込みの大きかったのは「はなの舞」や「さかなや道場」などの居酒屋を展開するチムニー<3178>の前年同月比73.5%減で、「酔虎伝」や「八剣伝」などの居酒屋を展開するマルシェ<7524>の同59.7%減、「庄や」や「やるき茶屋」などの居酒屋を展開する大庄<9979>の同59.0%減の順となった。

横浜家系ラーメンのギフトは22.7%増

そうした中、ギフトは2020年12月の売上高が前年同月比22.7%増と、最も高い増収を達成した。アークランドサービスホールディングスは同21.3%増、モスフードサービスは同12.8%増と好調だった。同じハンバーガー店の「マクドナルド」を運営する日本マクドナルドホールディングス<2702>は2ケタには届かなかったものの、同7.9%増と堅調に推移した。

現在発出されている緊急事態宣言では、20時閉店、19時までの酒類の提供が要請されており、居酒屋の経営にとっては大きなマイナスの影響が見込まれる。ラーメン、とんかつ、ハンバーガーと居酒屋との明暗は当分続きそうだ。

文:M&A Online編集部

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