コロナ禍で好調なPC市場でも、アップルの成長は「別格」だった

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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大に伴うリモートワークや遠隔授業、巣ごもり需要などでパソコンが売れている。米IDC(International Data Group)の調査によると、2020年のパソコン世界出荷台数は前年比13.1%増に。これは同13.7%だった2010年以来の活況となった。

全需の2倍超の高成長だった「Mac」

が、それを大きく上回る成長をみせたのが米アップルだった。同社の出荷台数は同29.1%増と全体の2倍以上の高い伸びだ。

 アップル成長の原動力となったのが、2020年第4四半期に当たる11月10日に発売した「MacBook Pro」と「MacBook Air」「Mac mini」。いずれもアップルが独自開発したアームアーキテクチャーのCPU「M1」を搭載したコンピューターだ。第4四半期の同社の出荷台数は同49.2%増の734万9000台と急成長しているからだ。

第4四半期の世界総出荷台数は同26.1%増の9159万台。同期のアップルの世界シェアは8.0%、通年シェアの2019年第4四半期の6.8%よりも1.2ポイント増加している。モデルチェンジ前の「Mac」シリーズはウィンドウズパソコンと同じインテル製のCPUを採用していたため、同シリーズでもパソコンOSでは主流の「ウィンドウズ」を利用できた。

 しかし、「M1」搭載モデルではウィンドウズOSの作動を保証していないため、互換性の問題から発売前にはビジネス用として利用するユーザーからは敬遠されるのではないかとの懸念もあったが、杞憂に終わったようだ。

省電力CPUの「M1」採用で内蔵バッテリーによる駆動時間が増えて発熱も少ないなどノートパソコンとして有利となった上に、最大3.5倍の高速処理を実現。さらにはMacBook Airで10万4800円(税別)からと、前モデル並みの価格に抑えたのがセールスポイントになったようだ。

2021年も独自開発CPU搭載の「Mac」シリーズは追加されるので、さらにシェアを拡大する可能性がある。アームアーキテクチャーCPUで稼働するウィンドウズOSもあり、いずれ互換性の問題も解消されるだろう。

今年はデスクトップ機の「iMac」や高性能デスクトップ「iMac Pro」、デスクトップの最上位モデル「Mac Pro」といった上級機にも、「M1」以上の機能を持つアームアーキテクチャーの新CPUが搭載される。高額製品だけにシェアもさることながら、アップルの収益にも貢献しそうだ。

 文:M&A Online編集部

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