「高値つかみ」に警戒感

日本に関してはその答えはYESともNOとも言える。日本企業は金余りの中、M&A投資を積極化させており、多くの企業が中期経営計画などで、M&A投資の実施を明記している。また、日本政府が中小企業の事業承継策の一つの方法としてM&Aを推進しており、税制改革などが一層進む可能性が高い。

一方で、クロスボーダーを中心に「高値つかみ」を警戒する声が少なくない。武田薬品の買収金額約7兆円を筆頭に、買収金額が高騰する傾向をみることができる。

さらに世界のM&A動向をみると、活発なのはアジア地域だけであり、アジアが世界のM&Aをリードしている状況にある。欧米企業の業績の伸び悩みに伴い、企業売却にブレーキがかかれば、日本企業によるクロスボーダーにも影響がでるのは避けられない。

足元のデューデリジェンス(買収先企業の調査)の件数は増えており、当面は2018年の勢いのまま推移する可能性が高いが、2019年の後半は息切れする可能性は否定できない。日本企業の業績、欧米企業の業績によっては、ここ数年注目を集めてきたクロスボーダーを中心とする大型のM&Aは影を潜めるかもしれない。

文:M&A Online編集部