トヨタ自動車<7203>系列のサプライヤー(部品メーカー)が苦境に追い込まれている。2020年6月11日に開いた株主総会でトヨタの豊田章男社長は「新型コロナウイルスの流行はリーマン・ショックを上回る危機だが、コスト削減で2021年3月期の連結営業利益の黒字を確保できる」と断言した。

トヨタの「黒字宣言」で真っ青の系列部品メーカー

トヨタはリーマン・ショックに見舞われた2009年3月期に4610億円の営業赤字を計上しており、単純に言えばこれに匹敵する巨額赤字をコスト削減で解消するわけだ。当然、その矢面に立つのはトヨタに部品を納入する部品メーカーになる。

これまでもトヨタは半年ごとに1~1.5%の単価引き下げを部品メーカーへ求めてきた。リーマン・ショック直後には「緊急事態」として3%近い引き下げを求めている。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大による世界同時不況で、同社の世界販売台数が前期比15%減の890万台に減少する見通し。これを受けて系列部品メーカーが、リーマン・ショック直後と同レベルの単価引き下げを求められるのは必至だ。

部品メーカーにとっては受注量の減少と単価引き下げの「ダブルショック」となり、企業の存続を揺るがす事態になりかねない。コスト削減はすでに限界に近く、「乾いた雑巾を絞る」状況という。そうなれば有効な対応策はただ一つ、M&Aによる規模拡大だ。事実、トヨタ系列の部品メーカーではM&Aによる「グループ内再編」が進んでいる。