過払い金請求訴訟やB型肝炎給付金請求訴訟で積極的なテレビ広告を展開してきた弁護士法人の「東京ミネルヴァ法律事務所」(東京都港区)が経営破綻した。6月24日、東京地裁から破産手続き開始決定を受けた。企業倒産は年間8000件を超えるが、営利追求を目的とする一般企業と立ち位置を異にする弁護士法人が法的整理の対象になるのは異例中の異例だ。

第一東京弁護士会が破産を申し立て

帝国データバンクによると、東京ミネルヴァ法律事務所の負債総額は約51億円で、弁護士法人の倒産として過去最大。同事務所の設立は2012年。代表弁護士を務める川島浩弁護士をはじめ、総勢6人の弁護士が所属していたが、6月10日に突如解散したという。

実は破産を申し立てたのは当事者のミネルヴァではなく、ミネルヴァが所属する第一東京弁護士会。会費の未納が発生していたことが理由だが、最大の狙いは依頼者の保護だ。

ミネルヴァは消費者金融など貸金業者を相手とする過払い金請求や国に対するB型肝炎給付金請求などの訴訟を全国で手がけてきた。HPなどでは過払い金請求の相談実績7000件をうたっていた。

今回の破産申し立てについて、第一東京弁護士会の寺前隆会長は談話を発表。「多数の依頼を受けたままで業務を停止した。調査の結果、回収した過払い金の保管状況に不明な点があり、依頼者に返還することが困難な状況に陥っている疑いがあることも判明した」としたうえで、「多数の依頼者に甚大な不利益を与えるもので、弁護士法人として到底許されない」と断じた。

第一東京弁護士会は臨時の案内窓口を開設し、依頼者からの問い合わせに対応する体制を整えた。また今後、ミネルヴァの代表弁護士の川島氏らに対し、懲戒請求などを検討する方針だ。日本弁護士連合会の規定によると、懲戒は「戒告」「2年以内の業務停止」「退会命令」「除名」の4段階がある。

弁護士法人の倒産、2018年にも

弁護士法人というのは法律事務所や弁護士事務所の法人格のこと。一般企業なら、「株式会社」にあたる。最近では2018年11月、弁護士法人村岡法律事務所(東京都港区)が東京地裁から破産開始決定を受け、倒産した。この時、負債総額は6億円だった(東京商工リサーチ調べ)。

文:M&A Online編集部