経営再建中のRIZAP(ライザップ)グループは、子会社のタツミプランニング(横浜市)の戸建住宅・リフォーム事業を、関西を地盤とする中堅ゼネコンの高松コンストラクショングループに売却することを決めた。グループ会社・事業の売却は昨秋に構造改革に着手して以降、3件目となる。

メガソーラーが足かせに

RIZAPはM&Aを繰り返して成長してきたが、買収した企業の業績不振などで2019年3月期決算は大幅赤字に転落する見通し。このため、新規M&Aを凍結し、本業のフィットネスクラブと関連性や相乗効果が乏しい事業について縮小・撤退や売却などの構造改革を推進している。

タツミプランニングは1996年に設立し、神奈川県で年間400棟の注文住宅やリフォームを手がけるほか、2013年から太陽光発電事業(メガソーラー)に乗り出した。RIZAPは2016年2月に約25億円で買収した。しかし、固定買取価格の下落などで太陽光発電事業が振るわず、2018年4~12月期(第3四半期)で7億3000万円の営業赤字を計上していた。

タツミは戸建住宅・リフォーム事業(直近売上高は91億円)を承継する新会社を5月に設立し、この新会社の全株式を高松コンストラクショングループに売却する。売却額は約15億円。タツミに残る太陽光発電事業については減損や在庫の評価損などを計上する見込みだ。太陽光発電事業は来期以降、整理対象となる可能性が高い。

高松グループはタツミの注文住宅・リフォーム事業を取り込み、首都圏で戸建住宅事業を本格展開する。同社は高松建設を中心に金剛組、青木あすなろ建設を傘下に持つ。このうち、寺社建築の金剛組は578年に創業し、現存する世界最古の企業として知られる。2006年に高松グループ入りした。

エンタメ事業、ヘアケア・ボディケア用品子会社を売却

RIZAPは昨年11月にM&Aを凍結し、グループ事業の抜本的な構造改革を進める方針を発表した。同12月に、上場子会社のSDエンターテイメントのゲームセンターやボウリング場、映画館などの事業を北海道SOキャピタル(札幌市)に売却した。

SDエンターテイメントは2014年にRIZAP傘下となり、フィットネスや介護、保育などウェルネス(健康)事業に進出した。業績が低迷するエンタメ事業から撤退し、成長が見込めるウェルネス事業に経営資源を集中する。エンタメ事業の売却益として9億8000万円を計上した。

さらに1月末には、ヘアケア・ボディケア用品の開発・販売子会社であるジャパンゲートウェイ(東京都新宿区)を、投資事業を手がける萬楽庵(名古屋市)に売却した。2017年12月にRIZAPが傘下に収めたが、積極的な新商品投入や販促活動にもかかわらず、営業赤字が膨らんでいた。売却額は非公表だが、7億7000万円の売却損を計上する。

76億円の構造改革費用を計上

RIZAPが2月に発表した2018年4~12月期決算は営業損益が58億円の赤字(前年同期は80億円の黒字)、最終損益が81億円の赤字(同52億円の黒字)だった。構造改革費用として約76億円を計上した。

営業赤字を個別にみると、非上場子会社はジャパンゲートウェイ25億円、タツミプランニング7億3000万円、サンケイリビング新聞社7億2000万円、上場子会社はワンダーコーポレーション30億円、ぱど6億1000万円。

2019年3月期の通期業績は従来予想の売上高69.5%増の2309億円、営業赤字33億円(前期は135億円の黒字)、最終赤字70億円(同92億円の黒字)を据え置いた。

〇買収した上場企業の一覧(決算説明資料をもとに作成)

社名営業利益予想
2013イデアインターナショナル6.2億円
2014SDエンターテイメント2.6億円
2015夢展望6億円
2016HAPiNS2.1億円
MRKホールディングス1.45億円
2017ジーンズメイト0.7億円
ぱど1.6億円赤字
堀田丸正1億円
2018ワンダーコーポレーション7.9億円

文:M&A Online編集部