ノリタケカンパニーリミテド、TOTO、日本ガイシ、日本特殊陶業は先に、次世代発電システムとして期待される固体酸化物形燃料電池(SOFC)の開発・製造を手がける共同出資会社の設立で基本合意した。その際、クローズアップされたのが4社のルーツ。実は、長男格のノリタケ以下、いずれも「森村グループ」に属する。日本を代表するセラミックス(陶磁器)関連企業を輩出する森村グループとは。

証券コードは4社が連番

5331、5332、5333、5334。きれいに並んだ4ケタの数字が何かといえば、上場企業に与えられる証券コード。順に、ノリタケ、TOTO、日本ガイシ、日本特殊陶業。4社はいずれも同業種の兄弟会社で、しかも上場時期も1949年5月で同じであることから、見事に連番になったのだ。5200~5300番台はガラス・土石製品業に割り振られている。

森村グループの中核企業は森村商事(森村裕介社長、非上場)で東京都港区に本社を置く。にもかかわらず、“名古屋財閥”と見られがち。というのも森村商事を起源とする企業の多くが愛知県に本社があるためだ。

ノリタケ、日本ガイシ、日本特殊陶業の本社は最初から名古屋市。TOTOは北九州市に本社を構えるが、理由は後で触れたい。衛生陶器でTOTOのライバルにあるINAX(トステムと経営統合し、現LIXIL)もかつては森村グループの一員で、愛知県常滑市に本社があった。

「日本陶器合名」からTOTO、日本ガイシが分社

森村グループは1876(明治9)年に森村市左衛門と森村豊の兄弟が東京・銀座に創立した貿易会社「森村組」(現森村商事)にさかのぼる。1904年には、海外でテーブルウエアとして需要が大きかった白色硬質磁器の国産化を目的に日本陶器合名会社(現ノリタケカンパニーリミテド)を立ち上げた。それまで生地を愛知県瀬戸で、絵付けを東京と京都で行っていたが、生産を名古屋に集約したのだった。

その後、1917(大正6)年に日本陶器から、衛生陶器部門(トイレや浴槽など)を分離して東洋陶器(現TOTO)が、1919年に碍子(絶縁器具)部門を分離して日本碍子(現日本ガイシ)が誕生。さらに同社のプラグ部門を分離し、1936年に日本特殊陶業が設立された。

このうち、TOTOは北九州に本拠を置いた。原料である陶石の一大産地が天草(熊本)だったことから、交通の便の良い場所に工場を建設したとされる。

森村グループの場合は三井、住友、住友など旧財閥系の他の企業グループと違い、各社の定例的な社長会があるわけでもなく、資本の持ち合い関係もほとんどなく、緩やかな企業関係を身上とする。

SOFCの事業化へ総力を結集

ノリタケ、TOTO、日本ガイシ、日本特殊陶業の4社が共同で事業化を目指すSOFCはセラミックスを中心材料とする。環境負荷が少なく小規模でも高効率な発電システムが可能とされ、家庭用、業務用、産業用で幅広い用途が見込まれるが、技術的難易度が高いうえ、商品化には低コスト化や高耐久化などの課題もある。

新会社は愛知県小牧市に本社を置き、12月に事業を始める。「森村」の旗のもとで切磋琢磨してきたセラミックスに関するグループ4社の総力を結集することになる。

文:M&A Online編集部