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日本電産 努力義務違反で訴訟に いま何が起こっているのか 

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日本電産<6594>に何が起こっているのか。同社は3月12日、買収手続きを進めていた米国の家電メーカー・ワールプールのコンプレッサー事業であるエンブラコに関し、ワールプールが訴訟を起こしたと発表した。

努力義務違反はないとの主張を

ワールプールは日本電産がエンブラコ買収にかかわる競争規制当局の認可取得を2019年4月24日までに完了するのための努力義務を怠ったとし、日本電産による契約の履行を求めているという。

日本電産は「競争規制当局の認可取得に向け必要なあらゆる手段を尽くしている」としており、今後努力義務違反はないとの主張を行い、争っていく方針だ。

日本電産は2019年1月17日に業績の下方修正を発表した。会見の場で日本電産の永守重信会長は「尋常ではない変化が起きた。46年経営を行ってきたが、受注がこんなに落ち込んだのは初めて」とし、景気の先行きに強い警戒感を示していた。

日本電産の業績悪化の背景には米中貿易摩擦による中国経済の減速があり、エンブラコもその影響を受けることは避けられない。エンブラコの業績が悪化すれば、買収価格や買収後の統合プロセス(PMI)などにも影響が表れる可能性は高い。

日本電産が意図的にエンブラコの買収を遅らせようとしたのか。それとも「必要なあらゆる手段を尽くしている」とする日本電産に対し、訴訟を起こしてまで、契約の履行を求めるワールプールの戦略とは何なのか。今後の裁判で両社の思惑が明らかにになる。

信頼関係が一転

日本電産が2018年4月に買収を発表したエンブラコは冷蔵庫用のコンプレッサーや電気部品の開発や製造を行うブラジル企業。同社は直流コンプレッサーで高い技術を持っており、日本電産では欧米や中国で環境規制が強化される中、直流コンプレッサーの需要は高まると判断していた。

エンブラコの2017年12月期の売上高は13億700万ドル(約1450億円)で、買収金額は10億8000万ドル(約1200億円)だった。日本電産の中期戦略Vision2020では、2017年3月期から2021年3月期までの5カ年で新規のM&Aに5000億円を投じる計画のため、エンブラコの買収は大きなウエートを占めることなる。

下方修正した2019年3月期決算は売上高が前年度比2.6%の減の1兆45000億円、営業利益が同13.1%減の1450億円の減収減益予想。減収幅の最も大きいのが家電・商業・産業用のモーターで、547億円の減収を見込む。この部門の営業利益は112億円の減益となる。

日本電産がエンブラコの買収を発表した資料には「ワールプールと当社の間には、長年にわたる取引により築かれた信頼関係があり、今後も両社は親密に協力して参ります」とある。

「正当性を主張して争っていく方針」という裁判では、どのような事実が明らかになるのか。注目が集まる。

文:M&A Online編集部

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