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LIXIL、潮田会長・CEOらの解任を問う臨時株主総会を開催へ

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建材・住宅設備機器の最大手、LIXILグループ<5938>の潮田洋一郎会長・CEO(最高経営責任者)ら2氏のトップ人事が、5月に開く臨時株主総会でその是非が問われる異例の展開となった。潮田氏らの取締役解任を目的とする臨時株主総会招集を請求した株主には英投資会社マラソン・アセット・マネジメントなど機関投資家4社に加え、LIXIL取締役の伊奈啓一郎氏が名を連ね、取締役会の内部からも反旗が翻る事態だ。

「過半数」へ委任状争奪戦の可能性も

取締役の解任は議決権ベースで総会に出席した株主の過半数の賛成が必要となる。5月中下旬に予定される臨時株主総会に向け、可決か否決か、議決権行使のための委任状争奪戦が繰り広げられる可能性もある。その場合、カギを握るとみられるのが約4割にのぼる外国人株主の動向。

LIXILはサッシ、キッチン、お風呂でそれぞれ業界1位、トイレで2位を占める。文字通り、業界のガリバー企業だが、トップ人事をめぐる紛糾は企業イメージに直結し、業績に悪影響を及ぼしかねない。

臨時株主総会の開催を求めたのはいずれも外国機関投資家4社と伊奈啓一郎LIXIL取締役をはじめ31の株主。株主には旧INAXの創業家である伊奈家の親族や同社がかつて本社を置いていた愛知県常滑市も含まれる。会社法では3%以上の株式を6カ月以上保有する株主は総会の開催を請求できる。

臨時株主総会の目的は潮田氏と山梨広一代表執行役・COO(最高執行責任者)の2氏の解任。その理由として、昨年10月に発表されたトップ交代手続きが不適切に行われ、コーポレートガバナンス(企業統治)の適切性・透明性に重大な懸念があると主張している。

このトップ交代では同11月1日付で潮田氏が会長・CEOに復帰し、瀬戸欣哉社長・CEOがCEOを外れ(社長職は今年3月末で退任、6月に取締役退任の予定)、山梨氏が代表執行役兼COOに就任した。

これら一連のトップ人事は指名委員会が決定したが、指名委では山梨氏が委員長、潮田氏が委員を務めていた。機関投資家らは、潮田氏が指名委開催にあたり、瀬戸社長に退任の意向があるかのような誤解を招く説明があったなどとし「適正かつ適切な指名手続きが行われなかった」と指摘している。

LIXILは2011年に、トステム、INAX、新日軽、サンウエーブ工業、東洋エクステリアの5社が経営統合して発足した。サッシ、ドアなどの建材から水まわりの設備機器をフルラインで取り扱う。2019年3月期業績予想は売上高0.9%増の1兆8450億円、営業利益32.3%減の400億円。建材・住設機器業界で1兆円企業は同社だけ。

トステム創業家の潮田氏、グループの「総帥」を担う

グループ形成の中核となったのが潮田氏の父親である健次郎氏(故人)が創業したトステム(前身はトーヨーサッシ)。潮田氏がグループの総帥とされるゆえんだ。

ただ、潮田氏は2012年以降、外部招聘した「プロ経営者」に社長・CEOを委ね、自身は取締役会議長に就いていた。米ゼネラル・エレクトリック出身の藤森義明氏の後を受け、16年に社長・CEOに就任したのが瀬戸氏だった。瀬戸氏は住友商事出身で、工具ネット販売のMonotaRO(モノタロウ)を立ち上げて東証1部上場企業に育てた。

LIXILは臨時株主総会に出席可能な株主を確定する基準日を4月15日に設定した。現在約4割を占める外国人株主が同社株を買い増すことも考えられる。解任の可否をめぐり、水面下の攻防が激しさを増すことになりそうだ。

◎LIXILグループ 主力商品の業界ポジション

1位 2位 3位
サッシ LIXIL YKK AP 三協立山
キッチン LIXIL タカラスタンダード クリナップ
お風呂 LIXIL TOTO パナソニック
トイレ TOTO LIXIL ジャニス工業

文:M&A Online編集部

M&A Online編集部

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トステムとINAXの統合、その後の子会社5社の合併を経てLIXILグループとなった。約14年で売り上げを2倍強にするには、M&Aを行わずには達成できなかったのではないか。その軌跡を辿る。

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