農機や建機、プレジャーボートなどを手がけるヤンマー(大阪市北区)が、ほぼ2年ぶりにクロスボーダー(M&Aの国際間取引)を実施した。空調や冷蔵機器の販売や周辺機器の製造を手がけるドイツのKKUグループ3社の株式を取得。出資比率や買収価格は明らかにしていないが、株式の過半数は取得した模様だ。

今後、エネルギ-事業を手がけるヤンマーエネルギーシステムとKKUグループが持つ販売やサービスのネットワークを活用し事業を拡大する。これに伴ってヤンマーエネルギーシステムは海外売上比率を現在の30%から50%に引き上げる。

ヤンマーは2010年以降今回を含め7件のM&A(50%未満の出資も含む)を発表した。いずれも海外企業が対象で、フランスとドイツがそれぞれ2社、スペイン、米国、インドがそれぞれ1社。業種は建機が3件、発電機、マイクロコージェネレーション、農機、空調・冷蔵機器がそれぞれ1件だった。

主なM&A

2010

フランスの建機メーカーアンマンヤンマーを完全子会社化

2013

フランスの建機メーカーManitou社に出資

2015

スペインの発電機メーカーHimoinsa社をグループ会社化

2015

ドイツのマイクロコージェネレーションメーカーRMB社を子会社化

2016

米国のTerex社から欧州の中小型建機事業を譲受

2017

インドのトラクターメーカーITL社に追加出資

2019

ドイツの空調・冷蔵機器の製造や販売を手がけるKKUグループ3社を子会社化

ヤンマーの2018年3月期は売上高が前年度比2.2%増の7661億7600万円、経常利益が同53.0%増の173億2200万円と増収増益を達成した。地域別の売上高構成をみると日本はほぼ半部で、残りの半分はアジア、米国、欧州で積み上げた。こうした数字からはクロスボーダー効果がうかがわれる。

2019年3月期は当初予想よりも下回るが、それでも売上高は過去最高の8050億円(前年度比5.1%増)、経常利益は174億円(同0.5%増)を見込む。今回のM&Aの効果は2020年以降にどのような形で現れてくるだろうか。

ヤンマの2018年3月期の地域別売上高構成比

ヤンマーは1912年に大阪で創業。1933年に世界で初めてディーゼルエンジンの小型化に成功し、産業用のエンジンを核に農機や建機などの事業を立ち上げてきた。

1957年にテレビ番組「ヤン坊マー坊天気予報」の提供を開始。1991年には天皇杯で優勝経験を持つヤンマーサッカー部を母体として大阪サッカークラブ「セレッソ大阪」を設立した。

2019年4月から10月まで東京・八重洲の東京支社ビルの跡地にビアテラス&べーカリーカフェ「THE FARM TOKYO」をオープンする。東京駅正面という都会の真ん中で緑に囲まれてバーベキューやグリル料理が楽しめる。

ちなみにヤンマーの社名は大型のトンボ「オニヤンマ」にちなんで命名された。

文:M&A Online編集部