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エンジニア出身の起業家が陥りがちな残念なプレゼン
起業家のプレゼンレベルが上がっている。これは間違いなく日本のスタートアップエコ体系の確かな前進といってよいだろう。しかし今でもごくまれに残念なプレゼンと出会うことがある。彼らの共通点は・・・
吉野家ホールディングス<9861>が2016年以来2社目となるラーメン店を傘下に収めた。1社目は魚介ダシ醤油豚骨スープのラーメンを提供するせたが屋(東京都世田谷区)。今回はとんこつ鶏がら醤油スープのラーメンを提供するウィズリンクホールディングス(広島市)。
吉野家ホールディングスのセグメント情報によるとラーメンはその他に分類されているが、ウィズリンクホールディングスがグループに加わることで、牛丼、うどん、ステーキ、寿司と並んでラーメンが新たな事業分野として存在感を示すことになりそうだ。
ウィズリンクホールディングスは「ばり嗎(ばりうま)」「とりの助」などのラーメンを手がけており、醤油ダレと豚骨と鶏がらのうま味を引き出したスープが特徴。2012年から積極的に海外展開しており、2019年2月末の店舗数は国内58店、海外28店の合計86店舗。直近の売上高は37億8500万円だ。
吉野家ホールディングスは2018年3月に、議決権ベースで30%のウィズリンクホールディングス株式を取得しており、ウィズリンクホールディングスの持つチェーン化のノウハウなどを活用することで、国内外での事業展開を加速できると判断し、2019年5月までに完全子会社化することにした。
せたが屋は魚介ダシ醤油豚骨スープの「せたが屋」8店のほかに、塩ラーメン専門の「ひるがお」4店、豚骨味の「俺式」1店、煮干しにこだわった「中華そば ふくもり」1店、鶏がらの「中華そば 福味」2店などを展開している。
年 | 吉野家ホールディングスの沿革と主なM&A |
---|---|
1899 | 魚市場に個人商店の吉野家が誕生 |
1958 | 牛丼屋の企業化を目指し吉野家を設立 |
2000 | 寿司の京樽がグループ入り |
2006 | うどんのはなまるがグループ入り |
2008 | ステーキのアークミールがグループ入り |
2016 | ラーメンのせたが屋がグループ入り |
2019 | ラーメンのウィズリンクがグループ入り |
吉野家ホールディングスは牛丼の吉野家(東京都中央区)、セルフうどん店のはなまる(東京都中央区)、ステーキやしゃぶしゃぶを提供するアークミール(東京都中央区)、持ち帰りずしや回転寿司店などを手がける京樽(東京都中央区)の4社を中心に構成される企業。
2018年2月期は吉野家の店舗数は1200店で、売上高は1010億8200万円。はなまるの店舗数は479店で、売上高は270億5700万円。アークミールの店舗数は178店で、売上高は224億8200万円。京樽の店舗数は330店で、売上高は266億9500万円といった状況。
これに対しウィズリンクホールディングスは店舗数、売上高ともに1ケタ低い水準にある。せたが屋と合わせても状況に大きな変化はない。今後、新たなセグメントとしてラーメンが登場するためには、魚介ダシ醤油豚骨ラーメンやとんこつ鶏がら醤油ラーメンの出店加速に加え、新たな味を提供するラーメン店のM&Aが必要になるかもしれない。
グループ会社 | 売上高 | 店舗数 | 事業内容 |
---|---|---|---|
吉野家 | 1010.82 | 1200 | 牛丼 |
はなまる | 270.57 | 479 | うどん |
アークミール | 224.82 | 178 | ステーキなど |
京樽 | 266.95 | 330 | 寿司 |
ウィズリンクHD | 37.85 | 86 | ラーメン |
※売上高は2018年2月期、単位は億円。店舗数はウィズリンクHDが2019年2月末、他は2018年2月末。
文:M&A Online編集部
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