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【M&Aサマリー7月】67件は今年3番目、アサヒが豪ビール大手を1.2兆円で買収へ

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京成電鉄、関東鉄道をTOBで子会社化

日本企業同士で最大案件は京成電鉄による関東鉄道(茨城県土浦市)の子会社化。京成電鉄はTOB株式公開買い付け)を実施し、現在30.09%の出資比率を約99%に高める。買付代金は最大約35億4700万円。

関東鉄道は茨城県を中心に鉄道事業とバス事業を手がける。京成電鉄はこれまで関東鉄道と営業・安全面の情報交換、資材の共同購入、大規模自然災害時の復旧支援、高速バスの共同運行などで連携してきたが、子会社化を通じてグループ経営の体制を強化する。

一方、NECはグループ再編の一環として、子会社で防衛装備品などの製造を手がける日本アビオニクス(東証2部)を譲渡する。事業再生型ファンドの日本産業パートナーズ(東京都千代田区)が日本アビオニクスの子会社化を目的に行うTOBに応じて保有する全株式(所有割合50.11%)を手放す。

買付代金は17億1200万円。NECだけでなく、一般株主からも5%程度を買い付ける予定。

子会社の日本アビオニクスを手放す決断をしたNEC(東京・田町)

日本取引所グループは7月30日、経営統合で合意している東京商品取引所へのTOBの詳細を公表した。総額55億円で東商取の全株式を買い取る。両社は3月に経営統合計画を発表したが、買付価格などの条件面を詰めていた(ただし、7月のM&A件数には含まない)。

IT・ソフト関連が20件近く

業種別にみると、IT・ソフトウエア関連が20件近くに上った。

デジタルハーツホールディングスがソフトウエアテスト事業の米LOGIGEAR(カリフォルニア州)を、伊藤忠テクノソリューションズがシステム構築を手がけるインドネシア企業2社を子会社化する。

アイリッジはシステム受託開発のキースミスワールド(東京都千代田区)を10月1日付で吸収合併する。Gunosyはブロックチェーン(分散型台帳)関連のシステム開発などを手がける子会社LayerX8(東京都港区)の株式45%をMBO(経営陣が参加する買収)の一環として譲渡することを決めた。

メルカリ、鹿島アントラーズの経営権を取得

メルカリはフリマアプリ事業を展開するため2016年に設立した英国子会社(ロンドン)を事業撤退に伴い、現地企業に譲渡した。その一方で、同社はJ1プロサッカー「鹿島アントラーズ」を運営する鹿島アントラーズ・エフ・シー(茨城県鹿嶋市)の株式61.6%を8月末に取得すると発表した。取得金額は約16億円。2017年からスポンサーとしてチームにかかわっていたが、経営権の取得に踏み切る。

鹿島アントラーズは国内3大タイトル(J1リーグ、Jリーグカップ、天皇杯全日本サッカー選手権大会)で最多優勝を誇る名門クラブ。IT企業傘下で経営がどう進化するのか、かじ取りが注目される。

◎M&A:金額上位案件(10億円以上)

<買収案件>
1 アサヒグループホールディングス、豪ビール大手カールトン・アンド・ユナイテッド・ブルワリーズ(CUB)を子会社化(1.2兆円)
2 大阪ガス、米シェールガス開発会社のサビンを子会社化(約650億円)
3 ネクソン、スウェーデンのゲーム開発スタジオEmbark Studiosの株式を追加取得し、子会社化(約104億円)
4 ワコールホールディングス、米の女性インナーウエア企画販売会社Intimates Onlineを子会社化(91.8億円)
5 ※日本取引所グループ、東京商品取引所をTOBで子会社化(55.5億円)
6 日本紙パルプ商事、英国の大手紙商RADMS PAPERを子会社化(52.2億円)
7 京成電鉄、関東鉄道(茨城県土浦市)をTOBで子会社化(35.4億円)
8 ハウスドゥ、不動産売買・賃貸仲介の小山建設(埼玉県草加市)を子会社化(27.5億円)
9 アークランドサカモト、卸売・小売業のヴァーテックス(新潟市)からフィットネス事業を取得(18.4億円)
10 日本産業パートナーズ、NEC傘下の日本アビオニクス(東証2部)をTOBで子会社化(17.1億円)
11 共同印刷、クレハのブローボトル事業を取得(17億円)
12  メルカリ、鹿島アントラーズの経営権を取得(15.9億円)
<売却案件>
1 パスコ、航空測量事業の米子会社Keystone Aerial Surveysを現地社に譲渡(約32億円)
2 FHTホールディングス、太陽光発電所2カ所をグローバルエナジーに譲渡(19.5億円)

※日本取引所グループは3月に、東京商品取引所へのTOBを公表。7月30日にTOBの条件や買付金額を公表した。このため、7月の集計件数には入れていない。

文:M&A Online編集部

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