東証の「適時開示」ベースで、2018年の企業別のM&A(企業・事業の買収または売却。グループ内再編は除く)件数ランキングを12月28日時点でまとめたところ、10件を手がけたソフィアホールディングス(HD)が最多だった。10件中、買収は9件で、いずれも調剤薬局が対象。同社はインターネット関連事業を主力とするが、近年、M&Aをテコに経営の軸足を健康医療事業に移しつつある。

2位はマッチングサイト運営を主力とするシェアリングテクノロジーの9件で、すべてが買収案件。対照的に、経営再建中の東芝は5件がそろって売却案件だった。

3件はクリエイト・レストランツ・ホールディングス、城南進学研究社など21社、2件だと90社に上った。

5社に1社が複数案件を手がける

1月から12月28日までの間、595社が781件のM&Aを公表した。このうち1社で複数のM&Aを手がけた企業数は123社(308件)と全体の20.7%、5社に1社を占める。

件数トップのソフィアHDがM&Aを公表した案件は以下の10件(子会社化5件、事業取得4件、子会社売却1件)。買収ターゲットはいずれも調剤薬局だ。

子会社化=ビーライク(川崎市)、コアラ(栃木県佐野市)、ユウアイファーマシー(東京都練馬区)、中嶋ファーマシー(大分市)、アシスト(福島県会津若松市)。事業取得=テイエヌ商会(神奈川県横須賀市)、メディカルボックス(東京都小金井市)、ケイアンドワイ(盛岡市)、健光(鹿児島県奄美市)。買収総額は11億8000万円で、エリアも全国に散らばる。

子会社売却=ソフィアメディカル(医療機関向けシステム事業、東京都新宿区)。

2位のシェアリングテクノロジーは買収9件でソフィアHDと同数。海外留学サイトのリアブロード(東京都新宿区)、プリント配線基板製造の電子プリント工業(兵庫県尼崎市)、塩谷硝子(愛知県春日井市)など6件の子会社化のほか、モノクリエイト(岐阜市)の「引越しチョキ!」サイトなど3件の事業を取得した。

東芝は売却一色

電通は欧米のデジタル広告会社を中心に6件の買収を手がけた。買収金額はいずれも非公表だが、目立った案件はない。5件はアドベンチャー(航空券予約サイト運営)、テクノプロ・ホールディングス(技術系人材サービス)、トライアンフコーポレーション(情報通信)、東芝の4社。なかでも東芝はすべてが売却で、パソコン事業、米国LNG(液化天然ガス)事業、ブラジルの送変電事業などがその内容だった。

4件はITbookホールディングス(情報通信)、協和エクシオ(通信工事)、ヨシムラ・フード・ホールディングス(食料品)、楽天、夢真ホールディングスの5社。このうち、ヨシムラ・フードHDは4件中、1件について公表から2カ月半後に買収計画を白紙に戻した。

楽天、買収と売却がそれぞれ2件

楽天は朝日火災海上保険、みんなのビットコイン(仮想通貨取引所)の2社を買収する一方、電子コミック事業のメディアーノと結婚情報サービスのオーネットの2社を売却。楽天グループの戦略の方向性をうかがうことができる。

〇2018年:企業別のM&A件数ランキング(東証の適時開示ベース)

10件ソフィアHD
9件シェアリングテクノロジー
6件電通
5件アドベンチャー、テクノプロHD、トライアンフコーポレーション、東芝
4件ITbookホールディングス、協和エクシオ、ヨシムラ・フードHD、楽天、夢真HD
3件IBJ、Jトラスト、KeyHolder、SKIYAKI、アウトソーシング、クレスコ
アスラポート・ダイニング(現JFLAホールディングス)、コムシスHD
クリエイト・レストランツHD、じげん、城南進学研究社、新日本科学
ソラスト、ダイキアクシス、テクノホライゾン、トーカイ、日本電産
バローHD、ブロードバンドタワー、メディアフラッグ、レカム

(注)HDはホールディングス

文:M&A Online編集部