富士フイルムホールディングス<4901>は2018年1月、傘下の富士ゼロックスの収益改善を狙って、合弁相手の米事務機器大手ゼロックスの経営統合を発表した。しかし、ゼロックスのアクティビスト(物言う株主)たちは、ゼロックス株の評価額をめぐり「過小評価だ」と反発。同4月27日、ニューヨークの裁判所は差し止めの仮処分を下した。

同5月1日に経営統合計画の見直しを柱とした和解案で両社は合意したが、富士フイルムが異議を唱え和解案はわずか2日で失効。これを受けてゼロックスは同5月13日、合意の破棄を発表した。

一連の混迷を、米メディアは様々な観点から分析した。

ゼロックスと富士ゼロックスは「切っても切れない仲」

同5月14日の米ニューヨークタイムズ紙は、カール・アイカーン氏はじめ米ゼロックスの大株主たちはより高額での買い取りを望み、(富士フイルム以外にも)買収候補企業は「舞台のそでで待ち構えている状態」と語っているとした。

具体的には、投資ファンドの米アポロ・グローバル・マネジメントが関心を抱いていると紹介。ロイター通信も同様の内容を報じている。

しかし同紙は、米ゼロックスと富士ゼロックスの両社が「分離不可能なほど」「固くより合わせられている」と表現し、他の買い手が現れる可能性には疑いを示した。

その理由として、富士フイルムが75%の株を保有する富士ゼロックスはアジアで事業展開し、アメリカとヨーロッパでは米ゼロックスがサービスを提供する国際分業体制をとっていること。それに加えて、今や米ゼロックスはもはやオフィスコピー機を自力では提供できず、大半を富士ゼロックスに依存している状態であることを挙げている。

富士ゼロックスのロゴマーク
富士ゼロックスの支援なしには米ゼロックスは生き残れない(Photo By By Solomon203)