日本電産<6594>の永守重信会長兼社長が大学経営に乗り出した。卒業後、即戦力として活躍できる人材を育てるのが狙いで、2018年3月に理事長に就任した京都学園の京都学園大学に、2020年にモーターの研究に特化した工学部を新設し、電気自動車やドローンなど新しい分野に対応したモーターの技術者を育成する。

今後電気自動車のテストコースやドローンの試験場などを整備し、留学生受け入れのための寮の建設などにも着手する。投資金額などは未定だが、必要な資金については永守氏の私財を投じるという。

永守式M&Aが大学経営でも成り立つか

永守会長兼社長は以前から大学設立の構想を持っており、今回の私財を投じて京都学園大学を自身の理想とする大学に変革するのは、時間を買うといわれるM&Aの手法そのものと言える。これまで50 件近いM&Aを成功させてきた永守方式が大学経営でも成り立つのか、注目される。

2018年4月1日に京都学園大学の入学式後の記者会見でこうした構想を明らかにした。永守氏はモーターの研究を行っている大学が日本にないため、自身でこうした研究を行う大学を設立する考えを持っていた。名称も「京都先端科学大学」と決めており、今回京都学園の理事長に就任したのを機に、2019年4月に京都学園大学の校名を「京都先端科学大学」に変更する。

モーターに特化した工学部を新設

2020年に開設する工学部はモーターに特化し、特色を持たせる。定員は200人の予定で、開設後10年ほどで半数をアジアを中心とする国々からの留学生とする。留学生のための寮は京都市右京区の京都学園大学太秦キャンパス内に建設する。

電気自動車やドローンなどのテスト施設は京都府亀岡市の京都学園大学京都亀岡キャンパス内に建設する。京都太秦キャンパスと京都亀岡キャンパスの間の移動は、これまでは有料のバスで行っていたが、4月1日からは無料にするとともに便数を増やすことで、工学部の新設にさきがけて両キャンパスの一体化を進める。

新設する工学部では日本電産の技術者が講義を行ったり、電気自動車やドローンのテスト施設を日本電産が借り受けて利用することも検討する。またモーターの勉強を積んだ卒業生は日本電産が多くを採用する計画という。

日本電産はこれまで買収した企業を相乗効果がでるような形で運営してきた。日本電産の技術者による講義や、大学のテスト施設の利用などはこうした永守流のM&A手法の大学版といえそうだ。