公開日付:2018.03.19
2017年12月期決算で72億5,993万円の当期純損失を計上した(株)大塚家具(TSR企業コード:291542085、江東区、大塚久美子社長)は3月17日、港区南青山にフラッグシップショップ「Poltrona Frau Tokyo Aoyama(ポルトローナ・フラウ東京青山)」をオープンした。オープンを前に16日、大塚社長が同店舗で会見した。
イタリアの老舗高級家具ブランド「ポルトローナ・フラウ」は、大塚家具が2006年から日本総代理店として扱っていた。
大塚家具が南青山にオープンした店舗は、「ポルトローナ・フラウ」が日本で初めて公式認定したフラッグシップショップとなる。大塚家具では初のブランド特化型専門店で、大塚社長は「成功したい」と意気込みを話した。
「ポルトローナ・フラウ」は1912年にイタリアで創業した老舗家具メーカー。ソファーやアームチェアーを得意とし、フェラーリなど高級車のシートも手掛けている。
大塚社長とともに会見した「ポルトローナ・フラウ」のゼネラルマネージャー、ニコラ・コロプリス氏は「成功に向け大塚家具と歩んでいく」と抱負を語った。
大塚社長は数あるハイエンド家具メーカーのなかから「ポルトローナ・フラウ」を選んだ理由を聞かれると、「鍵は両社が成功を望んでいるかどうか」と話し、「(両社は)考えが一致している」と説明した。
大塚家具は2018年12月期の法人向けコントラクト売上を61億円と、2017年12月期の20億円から大幅増を見込んでいる。
大塚社長は「BtoBやBtoBtoCを強化するためにもポルトローナ・フラウの店舗は重要な役割を担う」と説明した。
大塚家具はこれに先立つ3月7日、新宿ショールーム8階を提携する(株)ティーケーピー(TSR企業コード:296456853、新宿区)に初めて委託し、イベントホールとすることを発表している。
かつての大型店舗からより身近な次世代店舗の構築を進めており、ティーケーピーへの委託やブランド特化型専門店の出店はその一環となる。
大塚家具は2018年12月期上期の当期純利益を4億7,000万円の黒字と見込んでいる。だが、特別利益(非公開)に頼らず業績を回復できるか。「ポルトローナ・フラウ」など新たな取り組みで今後の真価を問われることになる。
(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2018年3月20日号掲載予定「取材の周辺」を再編集)