富士フイルムホールディングス<4901>の助野健児社長は5月18日、2018年3月期決算発表の席上、対立の構図が強まっている米ゼロックスとの統合について、「ベストなシナリオであることをぶれずに主張し、未来の価値を株主と分かち合いたい」と述べ、統合計画を撤回する考えのないことを強調した。

統合実現に長期戦の構え

ゼロックスは14日(日本時間)に統合合意の破棄を発表したが、「(合意は)法的な拘束力を持ち、一方的な破棄には徹底して戦う。契約は生きている」とし、損害賠償を含む法的措置で対抗する方針を明らかにした。当初計画で9月までとしていた統合スケジュールに関しては、「いつまでにという時間的な制約があるわけではない。粘り強く、しっかり主張していくだけ」と、統合実現に向けて長期戦の構えを示した。

ゼロックスの統合計画は5月に入って二転三転した挙句、14日にゼロックス側が統合合意の終了を発表した。この日、東京証券取引所で行われた会見で、助野社長は14日にゼロックスが統合合意の終了を発表するまでの約2週間、「(ゼロックスとの)直接のコミュニケーションが途絶えていた」とし、突然かつ一方的な合意破棄だったことを明らかにした。

ゼロックスは統合に反対する筆頭株主で投資家のカール・アイカーン氏と同じく大株主で実業家のダーウィン・ディーソン氏の主張を受け入れ、いったん主張を退けた両氏と再度和解。この統合合意の破棄に伴い、統合を主導したジェフ・ジェイコブソンCEO(最高経営責任者)ら経営陣が退任し、アイカーン氏らが推す経営陣が就任することになった。アイカーン氏ら2氏はゼロックスの株式を約15%保有するが、助野社長は「こうした少数株主が実質的に支配する取締役会が最良の選択をできるのか」と疑問を呈し、「残る85%の株主に(統合が)ベストであることを一貫して主張していく」との基本スタンスを説明した。

会見場を後にする助野社長

1株当たりの取得価格引き上げなどをアイカーン氏らが主張しているとされることについて、助野社長は「一部株主のプランに過ぎない。あくまでも(われわれの)交渉相手はゼロックスだ」と強調。ただ、ゼロックス経営陣から何らかの条件変更の提案があった場合、一方的に受け入れることはないとしながらも、「はねつけることはない。真剣に検討し、株主のプラスになることであれば考える」と含みを持たせた。

訴訟に発展した場合、富士ゼロックスを通じた合弁事業への影響が懸念されるが、助野社長は「合弁契約をブレイク(壊す)ようなことがあれば別の問題が起きる」として、既存ビジネスに影響が及ぶことはないと言明した。