評価額が10億ドルを超える未上場企業のことを「ユニコーン企業」と呼ぶが、その中でさらに評価額が100億ドルを超える企業は「デカコーン企業」と呼ばれている。そしてそのデカコーン企業の中でも、世界で最も高く評価されているのが、アメリカの配車サービス大手のUBER(ウーバー)だ。設立されてまだ10年も経過していないにも関わらず、ここまで成長することができたのはなぜなのであろうか。

ドライバーのなり手は急増中、年間9万ドルの収入も

UBERは2009年にトラビス・カラニック氏によって設立された。筆者もアメリカへ行った際はUBERを欠かさずに利用しているが、使い方が非常に分かりやすく簡単である上に、あらかじめ料金を把握でき、また、降車時にお金やチップを用意する必要もない。また、目的地はあらかじめアプリ上で入力しているため、いちいち行先を運転手に説明する必要がなく、ノンストレスで目的地にたどり着くことができるのもいい点だ。しかも通常のタクシーよりも料金が安いときたら、もう誰も通常のタクシーを利用するユーザーはいなくなる。

配車アプリは、ユーザーが乗降回数を増やすことで収益を上げることができるため、とにかくユーザーに使ってもらう必要があるのは当然であるが、ユーザーがドライバーをすぐに捕まえられないという事態を防ぐ必要もある。この点UBERのドライバーは、運賃の80%を受け取ることができ、フルで働いた場合には年間9万ドルの収入を得ることも可能と言われているため、UBERのドライバーとしての仕事をする人が急増し、ユーザーがドライバー不足に陥ることを防ぐことができるようになっている。ドライバーに成果主義的な金銭面のインセンティブを与えることで、自動的かつ加速度的に事業規模が拡大するようになっているのである。

赤字にならないビジネスモデル 

また、基本的にUBERは、ドライバー自身の車を使って運行を行ってもらうため、自社で運行用の車を保有する必要がない。加えてドライバーの人件費はほぼ変動費であるため、固定費を限りなく少額で抑えることができるのだ。つまり、仮に法規制の変更やドライバーのストライキ等の発生によりユーザーの乗降回数が多少落ち込んだとしても、自社建物の減価償却費や本社の人件費等の固定費を回収することができれば、基本的に赤字になることはあり得ないということだ。