サントリ―ホールディングス傘下のサントリースピリッツが6月以降、国産ウイスキーの「白州12年」「響17年」の販売を休止する。理由はウイスキーを炭酸水で割るハイボールの人気が高まったことや海外で日本のウイスキーに対する需要が拡大したことなどから原酒不足に陥ったためだ。

同社では増産などの対策を講じてはいるが、「白州12年」では12年以上、「響17年」は17年以上の熟成期間が必要なため、早急な販売再開は見込めない。そうした状況の中「そんなに長い間待てないと」いう消費者の声に応えることができるのはM&Aだ。ウイスキーメーカーを買収し”時間を買う”のだ。

ウイスキーの生産はこの10年で2倍に

国税庁が2018年3月に発表した「酒のしおり」にある酒類製成数量の推移によると、ウイスキーの国内生産量は、ピークの1980年度に35万1000キロリットルだったのが、2007年度には5万6千キロリットルまで減少。その後、徐々に回復し2016年度には11万4000キロリットルまで持ち直した。10年ほどの間に生産量が約2倍になった計算だ。

それでも需要の増加には追いつけず、今回の販売休止に追い込まれたわけだ。原酒を作った10年ほど前に、ハイボール人気が訪れ、日本のウイスキーが海外でこれほど評価されるとは、だれも想像できなかっただろう。原酒不足は致し方のないこといえる。

現在、サントリーは増産に取り組んでいるが、これから増産しても効果が現れるのは10年以上先になる。そこで出番となるのがM&Aだ。

世界には数多くのウイスキーメーカーがある。それら企業の中には今回販売を休止する「白州12年」や「響17年」に近い原酒を製造するメーカーもあるばずだ。そうした企業を買収すれば、サントリーファンである消費者の思いに少しでも応えることができるだろう。