経営権でドイツテレコムに譲歩か

ソフトバンクグループ<9984>傘下で米携帯電話4位のスプリントと、同3位のTモバイルUSとの合併交渉は大詰めを迎えている。早ければ2018年4月中に合意する見通しだ。前回の合併交渉ではソフトバンクグループとTモバイルを所有するドイツテレコムが合併した新会社の経営権で折り合えず、破談に終わった。

今回は新会社の株式40%強を保有するドイツテレコムが支配的な議決権を持つ方向で交渉が進んでおり、ソフトバンクグループが妥協した形だ。ソフトバンクグループとしてみれば、このままスプリントを単独で経営しても将来展望は開けないことから、Tモバイルに事実上の事業譲渡をすることで将来のリスクを解消する狙いがあるとみられる。いわば早目の「損切り」だ。

そうなると意味深なのは、2018年中に予定している携帯事業会社ソフトバンクの「親子上場」。資金調達額2兆円と過去最大規模の新規株式公開IPO)案件で、ソフトバンクグループが今後取り組む新規事業の資金づくりといわれている。しかし、スプリントの事実上の事業譲渡と組み合わせて見れば、「ソフトバンクグループは携帯事業に見切りをつけた」ともいえる。

米スプリントの店舗
ソフトバンクは合併後のスプリントの経営権を失う可能性が高い(Photo By Mike Mozart)